日本はオマーン戦から先発10人を入れ替えて臨み、ウズベキスタンは主力6人を温存、エースFWショムドロフは1点決めたらベンチに下がった。互いに決勝トーナメント(T)1回戦を見据えてのこと。両者ベストメンバーの対戦ではないから、本当の力の差はわからなかった。勝ったからと「層が厚くなった」と錯覚してはいけない。

この試合で90分間プレーした選手は「アピールした」とは言えないな。回復が気になる大迫のポジション以外は、基本的に次の試合には出ないのだから。仮にアピールできたとしても、肉体的に使えない。それにしてもレギュラーのAチームと、この試合のBチームとはっきり分け過ぎている。Bチームはこの日がチームとして初めての試合だった。もう少しうまくミックスできなかったかな。

結果的にF組1位は次にサウジアラビアと、F組2位はオーストラリアとの対戦になった。相手が1次リーグを3位で突破したチームだったら日本が有利と言えるが、今回はどちらに転んでも厳しい相手だった。この日の収穫は1位突破よりも、主力を休ませることができたことの方だ。

ここからが本当のアジア杯。出場チーム枠を拡大して小さなハプニングはあったが、優勝に向けたライバルはイラン、韓国、オーストラリアという構図は変わらない。その前にサウジアラビアが立ちはだかり、22年ワールドカップ(W杯)を控えたカタールは力をつけている。

決勝Tではスコアによってはリスクを負わないとならないし、PK戦も想定しないとならない。準々決勝からはVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)も実施される。森保ジャパンにとっては、これまでにない新たな戦いになる。

まずはサウジアラビア戦のキックオフは現地午後3時、暑さも難敵になる。(日刊スポーツ評論家)