森保監督は、MF古橋を2列目の右で使った。彼の所属チーム・神戸での位置は2列目の中央か左、場合によってはトップだね。この日で言うと、南野か原口のところか、浅野のポジションだね。

森保監督が彼を不慣れな右で使ったのは、最終予選をにらんだものじゃないかな。今の代表は、2列目右が手薄だね。伊東が急成長してレギュラーを取ったが、2番手がいない。堂安がいるが、彼は中央でプレーしたがる。強い相手だと、中央は堅く守るため、サイドからの崩しが有効的だが、右の枚数が足りないのが現実だ。

利き足が右の古橋は、本来なら中央か、左でプレーしたいだろう。左からでも中央に入り込んで右足シュートを決めたい選手だからね。でも中央にはトップに大迫がいて、2列目には南野がいる。鎌田や久保、堂安も南野の位置でプレーできる。左は久保がいて鎌田、三笘がいる。その意味で、古橋が右に入って1ゴール、1アシストを決めたことは大きいね。この日、一番アピールできた選手じゃないかな。

タジキスタン戦は、新戦力を試す意味もあったのだろう。でも気になるのが、広島の選手が2人もスタメンに入ったことだ。広島はJリーグで今、9位のチームだよ。広島で数々の栄光を手にした森保監督としては、愛着があるチームというのは分かるけれど、もっと試す選手がいるんじゃないか。

いずれにしても次のセルビア戦(11日、ノエスタ)は、ベストメンバーがそろうはず。その中で、古橋の使い方に注目だね。そこでもアピールできれば、古橋は代表メンバーに定着するだろうな。(日刊スポーツ評論家)

前半、先制ゴールを決めて雄たけびをあげる古橋(撮影・垰建太)
前半、先制ゴールを決めて雄たけびをあげる古橋(撮影・垰建太)