ブラインドサッカーの視覚障害者らによる5人制日本代表強化合宿が15日から2日間、千葉市内の「ZOZOPARK HONDA FOOTBALL AREA(ゾゾパーク・ホンダ・フットボール・エリア)」で行われました。

 5人制ブラインドサッカーは視覚に障害があるフィールドプレーヤー4人と健常者のGKで編成されたチームで、20年東京パラリンピックでのメダル獲得に向け、強化を進めています。

 世界最強といわれるブラジル代表との3月の国際親善試合は1-4。完敗でしたが、データを詳細に分析した高田敏志監督は手応えを深め、内容の濃い練習メニューが展開されていました。

 当面の目標は12月にマレーシアで行われるアジア選手権。アジア王者として、18年の世界選手権に出場することから、20年東京でのメダル獲得に向かいます。今後もこれまで通り、月1回の合宿で、強化を進めていくことになります。

 同じ日本代表でも、よく取材するハリルホジッチ監督率いる代表チームとは環境も大きく違い、練習は公開で行われ、身近に競技そのものを感じることができました。

 一方で共通点のようなものも、あると思いました。アイマスクを着用したフィールドプレーヤーが音の鳴るボールと声、そして、研ぎ澄まされた感覚を頼りにボールを奪い合う迫力は、ハリルホジッチ監督が口を酸っぱくして言う「デュエル」(フランス語で決闘を意味する言葉に込めた激しい競り合い)そのもの。そのたくましさには、見習うべき点があると強く感じました。

 ハリルジャパンの主力や、有名Jリーガーも、すでにブラインドサッカー日本代表選手と交流したり、ブラインドサッカーを支援している例があります。ただ、できることなら、同じ日本代表として合宿で交流し、互いにボールを蹴って声を掛け合う機会を設けるべきだと思います。

 お互いにとって、日本サッカーにとって、必ずよい出会いになる、そんな気がしました。サッカーファミリーの結束によるエネルギーに期待したいものです。

 ◆八反誠(はったん・まこと)1975年(昭50)岐阜県生まれ。98年入社。06年からサッカー担当に。途中、プロ野球中日担当も兼務。14年1月から東京勤務。現在は、日本サッカー協会やJリーグなどを担当している。