<男子サッカー・アジア大会:日本2-1サウジアラビア>◇準々決勝◇27日◇インドネシア・チビノン

アジア大会に参加しているサッカーU-21(21歳以下)日本代表は準々決勝で同サウジアラビア代表に2-1で競り勝ち、4強進出を決めた。MF岩崎悠人(20=京都サンガFC)が2得点の活躍でチームをけん引し、森保一監督(50)の期待に応えた。

岩崎は小学生時代に所属していた滋賀・金城JFCでエース、中学ではJFAアカデミー福島に入団。エリート街道を進むとみられたが、中学2年時に「監督の目を気にして、サッカーが楽しくなくなってしまった」と言い、地元へ帰り、彦根中央中へ転入した。

同中でサッカー部へ入ったが、世界で活躍する夢からは遠ざかったと感じた。「中学でJ(リーグ)下部組織の子たちに後れをとったのでは」。葛藤があった。だが、当時の担任教師から「自分の思いを言葉にしろ、逃げ道をつぶせ」と言われ、全校生徒の前で学年代表として作文を読み、世界への夢を公言。自らを追い込み、覚悟は決まった。

京都橘高へ進学。3大会連続で全国選手権に出場したが、1得点もできなかった。京都でも、思うように得点量産できずにもがいた。だが、その度に自身と向き合い解決策を探した。中学時代に言われた「逃げ道をつぶせ」の言葉を胸に、この日も、日本を4強へと導いた。【京都担当=小杉舞】