【スバンジャヤ(マレーシア)28日=木下淳】リオデジャネイロ五輪アジア1次予選に出場中のU-22(22歳以下)日本代表が今日29日、U-22ベトナム代表と第2戦を行う。FW久保裕也(21=ヤングボーイズ)とFW南野拓実(20=ザルツブルク)の海外組2人が、公式戦初の同時先発を果たすことが濃厚。条件次第で予選突破が決まる一戦で格の違いを見せつける。

 マカオ戦(7-0)から一夜明けた練習で、手倉森監督がFW久保のスタメン起用を明言した。「メンバーを入れ替えます。久保は頭から」。さらにFW南野だ。所属クラブの意向でベトナム戦までしか出られないため、計画通り先発することが決定的。今予選、最初で最後の同時先発。公式戦では初のそろい踏みだ。

 初戦に出場した選手のうち11人はホテルで調整し、残る12人だけグラウンドに出て連係を確認した。その中で久保は1トップ、南野は左サイドに入って調整。久保は35度超の猛暑に、あごから汗を垂らしながら「(温存された)昨日は試合したいなぁと思いながら見てました」。合流は2度目で、昨年12月のタイ戦は到着翌日に出場してアシストしたが「あの時は全く動けなかった。でも今回は暑熱順化(5日間)が長かったので大丈夫。点に絡みたい」と、手倉森ジャパン初ゴールを狙える状態にある。

 一方の南野はマカオ戦に途中出場して1得点1アシスト。約30分間で貫禄を示したが、ミスも目立った。練習後に手倉森監督から呼ばれ「海外から海外に移動して試合するのが初めてだから、万全じゃない状態でどこまでできるか知ればいい」とアドバイスされると開き直った。「厳しい環境でもやれることをやる。向こう(欧州)で学んだ戦う姿勢だけは見せたい」。今日の試合後にチームを離れるため出し惜しみもない。

 ベトナム戦の約4時間前に行われる試合でマレーシアがマカオと引き分け以下に終わった場合、日本は勝てば1位通過が確定する。2人とも難しい条件下でのプレーを強いられるが「海外組」の看板は重い。その期待に手倉森ジャパンの「飛車角」が応えた時、最終予選進出が大きく近づく。

 ◆順位決定方法 まずグループ全体の勝ち点で争うが、並んだ場合は(1)当該国同士の勝ち点(2)当該国同士の得失点(3)当該国同士の総得点(4)グループ全体の得失点(5)グループ全体の総得点(6)PK戦(2チームだけが並び、かつ同じピッチ上にいる場合)(7)警告・退場ポイント数(8)抽選、の順で決まる。よって日本がベトナムに勝ち、マレーシアがマカオと引き分け以下だった場合、最終的に日本とベトナムが勝ち点6で並ぶ可能性しかない。直接対決で勝った日本が1位通過する。

 ◆リオデジャネイロ五輪アジア予選 今回から中立地での短期集中開催(セントラル方式)で五輪出場国を決める。第2回U-23アジア選手権が予選を兼ねており、1次予選(選手権予選)は東西アジアが10組に分かれて行われる。各組1位と各組2位の上位5チーム、さらに開催国カタールの計16チームが来年1月の最終予選(選手権本大会)に進出。同大会の上位3チームが五輪出場権を獲得する。