「パパ、サッカーしたい」。G大阪DF丹羽大輝(29)が日本代表候補に初選出された。ACL城南戦から一夜明けた7日、吹田市内で軽く調整した後、いったん帰宅すると長男の大心(だいご)君(4)が突然「サッカーしにクラブハウス行こう」と言い出した。

 午後4時ごろ2人でクラブハウスを訪れると、ちょうど長谷川監督が強化部長と電話中。「代表入ったぞ!」と聞かされた。「今日が代表発表なんか全く知らなかった。この子が『持ってる』んかな」。

 下部組織出身のセンターバック(CB)で、各世代別代表を経験するエリートだった。しかし同世代の家長らが活躍する中、トップでは出場機会に恵まれず。プロ生活12年目だが、うち5年間は3チームの期限付き移籍を繰り返しJ2も経験した。「コツコツタイプやから」。腐らず努力を続け、12年にG大阪復帰。昨年途中からは指揮官も「ヘディングもすごく良くなった」と認めるほど成長し、レギュラーに定着した。

 目指すは元日本代表DFでG大阪ジュニアユースコーチの宮本恒靖氏。同じ背番号「5」を受け継ぐ。この日、練習に訪れた宮本氏は「代表でも頑張って欲しい」とエールを送った。「憧れの先輩以上の存在にならないと」。遅咲きの29歳が日本を代表するCBへ成長を続ける。【小杉舞】

 ◆丹羽大輝(にわ・だいき)1986年(昭61)1月16日、大阪・河内長野市生まれ。G大阪ジュニアユース堺からG大阪ユースへ進み、04年、トップチーム昇格。07年に徳島、翌年から大宮、福岡へと期限付き移籍。12年にG大阪へ復帰し、昨季はセンターバックとして25試合に出場、2得点。J1初得点も記録した。181センチ、72キロ。利き足は右。血液型はA。