日本代表バヒド・ハリルホジッチ監督(65)が大事な13日のW杯アジア最終予選イラク戦(テヘラン)に向け粋な“采配”で海外組を鼓舞した。4日、千葉県内での合宿を打ち上げた海外組にほぼ丸1日の、外泊含むリフレッシュ休暇を与えた。一方、Jリーグを終えた国内組は4日夜に都内の宿舎入り。日本代表は今日5日に全員集合し、まず7日の国際親善試合シリア戦(味スタ)に向かう。

 海外組にほぼ丸1日のリフレッシュ休暇が与えられた。炎天下の千葉県内での練習前。ハリルホジッチ監督が、昼食後に1度解散、今日5日の再集合を申し渡した。中締めとなった練習はボールを使い、体の状態を整える約2時間のハードメニュー。「ここまで(8日間)いいトレーニングができた。みんな頑張った」。ご褒美とばかりに厳格な指揮官からのサプライズだった。

 いつどんな時も100%を求める。よって、翌日の練習スケジュールは基本的に前夜まで明かさず空欄がハリル流。4日午後から翌5日午前はもともと空欄だったが、外泊までOKとは…。丸3年を経過したハリル体制で最大のサプライズといっていい出来事だ。

 アフリカで奔放な選手を預かっていたからか、とにかく厳しい。合宿中の外出、家族などとの面会も基本的に禁止。川島ら伝統の“散歩隊”の外出や、ちょうど1年前に長友の「アモーレ」こと女優平愛梨との面会が許可された例はあるが、アメとムチならムチの頻度が高いSキャラ。それが一変。関係者は「選手との信頼関係だと思います」と分析した。

 もっとも仕事の鬼、当の本人は自宅に戻らず、スタッフと宿舎で国内組を待ち受けつつJリーグを映像チェック。今野の実戦復帰という朗報もあった。前夜はシリアのオマーン戦を分析。寝不足になり、早朝の欧州CL決勝は「少し見て、寝てしまった」とまさかの寝落ち。忙しすぎてそる間もないのか、珍しく無精ひげをさすった。この粋な“采配”は吉と出るか。家族と会うなど英気を養った海外組にも、一層の責任が生まれた。【八反誠】