8月31日のW杯アジア最終予選で日本と対戦するオーストラリアが、各大陸王者などが集う「プレW杯」で、3-4-3の新システムに磨きをかけている。アジア代表の同国は、14年W杯ブラジル大会覇者のドイツに2-3で敗れた。W杯優勝国を相手に、開始5分に失点を許すなど前半はいいところがなかったものの、後半からは果敢なプレスでリズムをつかむなど巻き返しに成功。国際サッカー連盟(FIFA)発表のデータから、日本のライバルの長所と短所の両面が見えた。

 オーストラリアは後半から見事に立て直し、14年W杯ブラジル大会の王者と互角の戦いを演じた。国際サッカー連盟(FIFA)の統計によれば、オーストラリアの前半のボール保有率は38%。後半は44%に高まっていた。守備一辺倒だった前半と違い、細かくパスをつないで相手陣まで攻め込めるようになった。枠内シュート数も前半の1本から後半は3本に増加。前半に5本あったドイツの枠内シュートも、後半はわずか1本に抑えた。

 今年から採用する3-4-3の攻撃的なシステムが、後半に入ると機能性の高さを示すようになった。ハーフタイムにポステコグルー監督は「守備を押し上げてリスクを冒せ」とゲキ。後半の立ち上がりに1-3とされるも、その後は果敢なプレスを仕掛けつつ、パスをつないで攻め込んだ。同11分にFWユリッチがゴール。そのきっかけとなった敵陣ペナルティーエリア手前のFKのチャンスも、リスクを冒して全体が押し上げたがゆえ。同監督は「DFラインを少し上げた。うまくいったと思う」と手応えを口にした。ロングボールを多用して空中戦の強さに頼った以前のスタイルではない。スペースを突き、サイドを幅広く使うパスも効果的だった。