日本障がい者サッカー連盟の7競技団体の統一日本代表ユニホームが完成した。29日、東京・JFAハウスでアディダス社の新ユニホームが披露された。選手らが熱望していたサッカー日本代表と同じデザインへの統一は持ち越しとなったが、同連盟の北沢豪会長(48)と日本サッカー協会の田嶋幸三会長(59)は将来的な統一に前向きな姿勢も示した。

 日本代表の象徴でもあるブルーの新ユニホームを着た選手は誇らしげだった。バラバラだった色やデザイン、メーカーを統一。昨年4月に7団体を統括する「日本障がい者サッカー連盟(JIFF)」が設立され、日本サッカー協会(JFA)の加盟団体になった。そこから約1年。元日本代表MFの北沢会長は「今朝届きました」。完成したばかりのアディダス社のユニホームを指さした。

 サッカー、日本代表といえば、思い浮かぶのがカズや北沢会長、澤さんも着たあのユニホーム。当然、選手たちも袖を通す日を熱望してきた。次の目標はそこになる。日本協会の田嶋会長は「サムライブルーと同じユニホームに、半歩前進。将来的に同じものを着られることになるかもしれません」とあいさつした。

 残る半歩の壁を乗り越えられなかった理由は幾つかある。関係者はスポンサーなど契約上の問題が大きいと説明。日本協会がアディダス社と結んでいる現行の日本代表オフィシャルサプライヤー契約は15年4月から23年3月末まで。この契約時に7団体はまだ別々に活動し、協会の管轄外。統一は想定されておらず契約に盛り込まれていなかったようだ。さらに、歴史も成り立ちも違う7つの連盟、協会もそれぞれがスポンサー契約を結んでいる。調整は簡単でなく、田嶋会長は「それぞれの加盟団体が長い付き合いがある」と発言した。

 7つの代表のうち、ブラインドサッカー日本代表は20年東京パラリンピックを目指している。晴れ舞台に向け、今回締結した契約にはデザイン変更の可能性も盛り込まれている模様だ。

 障がい者サッカー連盟の合言葉は「サッカーなら、どんな障害も超えられる」-。言葉通りにあと半歩詰め、サッカーファミリーとして足並みをそろえ、世界の頂点を目指す日を待ちたい。【八反誠】