日本代表FW本田圭佑(31)が無所属となった。退団の決まっていたACミランと、14年1月に締結した3年半の契約が6月30日で満了。14年のCSKAモスクワからミランへの移籍も契約満了に伴うものだったが、この時はCSKA在籍中にミラン入りが発表されていた。石川・星稜高3年、18歳だった05年1月9日に名古屋とプロ契約を結んでから12年が経過。プロ選手として初めて、どのクラブにも属していないフリーの立場となった。

 現在、米国に滞在しトレーニングも行っている本田は、新天地に移籍金なしで加入できる。6月1日には「基本的にオープンマインドですよ」と独特の言い回しで、フラットに幅広い選択肢から新天地選びを進めると明言。Jリーグ復帰だけは明確に否定したが、それ以外は世界中が候補となる。同18日には「多くのクラブが興味を持ってくれている」「まず、すべてをテーブルに乗せて(考えて)みたい」と話している。

 現役の日本代表、それも直近のW杯アジア最終予選イラク戦(6月13日)で先発起用されるような選手が無所属となるのは異例。メッスGK川島永嗣が15年に約半年、新シーズン開幕後も“浪人生活”を送った例はあるが、移籍のためとはいえ、キャリアに空白期間が生じるのは珍しい。

 それもこれも、自ら「集大成」と位置付ける来年のW杯ロシア大会を見すえ、サッカー人生を左右する重要な選択を下すため。現時点でサッカー選手としての働き口はない立場だが、動じず、最良の決断をする。