日本代表バヒド・ハリルホジッチ監督(65)が8日、東京・JFAハウスでW杯アジア最終予選オーストラリア戦(31日、埼玉)とサウジアラビア戦(9月5日、ジッダ)に向けた初のスタッフ会議を行い、けが人の状態などを確認した。

 勝てばW杯出場が決まる運命の一戦を前に、主力にけが人が続出。休暇を終え、自宅のあるフランスから日本に戻った5日には「私が初来日してから最も難しい状況が今かもしれない」と漏らしていた。しかし、情報を集めて精査したところ、左肩脱臼の香川と右ふくらはぎ違和感の本田は、ともに近日中に全体練習に合流予定と分かり、左太ももを痛めたDF吉田は単なる打撲による軽症と判明。明るい兆しが出てきた。

 その一方で、右足首靱帯(じんたい)を損傷した大迫について、関係者は「(状況は)厳しい。足首だし…」と歯切れが悪かった。ギリギリまで招集の可能性を探るが、6月のイラク戦でけがから復帰途上の今野を強行招集し、思うようなパフォーマンスを得られなかった反省もあり、慎重になっているようだ。

 関係者は「監督は『招集前のコンディションがすべてと言っていい』と言っている。2~3試合プレーしているのが(招集の)前提と考えたい」と、ひとつの基準を口にした。ただ大迫らは代えの利かない存在で、再び強行招集の可能性が高く、理想通りにはいきそうにない。時差ぼけで「寝られない」と漏らしているという指揮官。ホッとひと息ついたが、枕を高くして寝られる日はしばらく訪れそうにない。【八反誠】