来日中の「神様」ジーコ氏(64)が14日、東京・JFAハウスで取材に応じ、W杯出場をかけ31日にアジア最終予選オーストラリア戦(埼玉)に臨む日本代表にげきを飛ばした。「持てる力をすべて出し尽くし、ここで決めるんだ」と熱いエール。今日15日はスルガ銀行チャンピオンシップ(埼玉)の試合前に、自身の日本サッカー殿堂の掲額セレモニーが行われる。

 これは“神のお言葉”だ。ジーコ氏がかつての仕事場にやって来て、勝てば6大会連続のW杯出場が決まるオーストラリア戦を控える日本にエールを送った。日本を率いW杯予選を世界最速で突破し、世界中で知られる、あのジーコ氏の言葉は重い。突破を決めた05年6月の北朝鮮戦(タイ)も、準備期間が少なく、主力が出場停止やけがでやりくりに苦しんだ。FW大迫が右足首の靱帯(じんたい)損傷、FW本田が右ふくらはぎ肉離れを抱えるなど、現在と状況は似ている。

 「絶対に勝つんだという強い意志と自分の能力を信じること。ホームで勝ち点3が必要。オーストラリアの最終戦はホームで(格下の)タイが相手。どういう気持ちで、どういう試合をしなきゃいけないかは分かりきっている。持てる力をすべて出し尽くし、ここで決めるんだと。もうこれしかない」

 06年W杯ドイツ大会の1次リーグでは、オーストラリアに1-3の逆転負け。悔しい思いがある。「体格、体力的にもすごいものがある。一時のベストの状態ではないが、底力がある」と警戒。同世代のハリルホジッチ監督とは、2月の欧州チャンピオンズリーグの際にパリで出会って会食したといい「ビールとワインをごちそうしてもらった。いい人ですよ、いい人」と猛プッシュ。代表スタッフ会議に顔を出し、現指揮官を直接激励して引き揚げた。【八反誠】