W杯アジア最終予選オーストラリア戦(31日、埼玉スタジアム)に先立ち、元サッカー男子オーストラリア代表で現オーストラリアサッカー連盟強化部長ルーク・キャセリー氏(43)と元サッカー男子日本代表の北沢豪氏(49)が29日、東京・中央区で日豪交流イベント「サッカークリニック」に参加した。中央区の女子サッカーチーム、アルメールの小中高生ら21人にサッカー指導を通じて交流を深めた。

 イベント内では子どもたちが2チームに分かれてのミニゲームも行われた。北沢氏は、キャセリー氏が加わった黄色のビブスを着たチームを「オーストラリア代表」、北沢氏が加わった青いビブスのチームを「日本代表」と称し、2日後に迫った日豪戦の”前哨戦”とした。青の「日本代表」チームが0-2で敗れる結果となり、関係者は「本番(31日のオーストラリア戦)でこういう結果になったら困るね…」と苦笑いした。両氏はイベント後、サインに丁寧に応じた。細川奏音(かのん)さん(小3)はボールと色紙の両方にサインをもらい「すごいうれしかった!」と満面の笑みで、夏休み最後のいい思い出になったようだ。

 このイベントは、中央区とオーストラリアのサザランド市が姉妹都市ということで実現した。オーストラリアのリチャード・コート駐日大使夫妻もイベントに訪れ、子どもたちのサッカーを見守った。北沢氏は「お互いの交流はスポーツの大事なところ。お互いを理解してから試合を見るとまた違ってくると思う」とサッカーを通じた異文化交流の大切さを訴えた。日本代表に対しては「W杯予選は楽じゃないのが普通。勝ちを意識したプレッシャーもあると思うけれど、この厳しい状況、メンバーの中でアジアの強豪オーストラリアとホームで対戦できることは、新しい歴史を作る最高の場面。前向きなところで戦ってほしい」とエールを送った。