6大会連続のW杯出場を決めた日本代表のバヒド・ハリルホジッチ監督(65)が1日、さいたま市内で1日遅れの大演説だ。日本協会の田嶋幸三会長とともに会見に臨み、たった3つの質問に1時間5分も話し続けた。前夜の試合後の会見では「プライベートに大きな問題がある」と質問を受け付けず、10分足らずで一方的に退席。厳しい言葉もちりばめ、W杯への「第3章」スタートを高らかに宣言した。

 ハリルホジッチ監督が一夜明け、W杯へ本格スタートを切った。完勝し、日本を6大会連続のW杯へと導いた直後の会見は「プライベートに大きな問題がある」と質問を受け付けず、退席。10分足らずで終わったが、この日は1時間5分、一方的に話し続けた。

 冒頭の語りからハイテンションで、質問はたった3つでタイムアップ。1つの質問に20分近く話し続けた。「私は発言するときに、社交辞令ではなく、感じている、考えていることを(そのまま)言う」との自己分析通りの大演説だった。

 チーム作りで第1段階をW杯アジア2次予選、第2段階を最終予選、そして「最も厳しい、最も難しい」と語る第3段階に突入したことも宣言した。抜てきした乾を「日本のマラドーナ」と呼んでみせた。これまでは、厳しさばかりが目立ったが、ここからはアメとムチで、より強化していく。

 「今現在、本日のチーム状況ではW杯では結果を残せない。でも9カ月後は変わっているかもしれない。重要なのはけが人を出さないこと。日本のベストプレーヤーがW杯で使えれば」と厳しい言葉で、危機感をあおった。具体的な克服課題を「フィジカル。テクニックはある程度のレベル。スピードと組み合わせられるようにしたい。メンタル面も。サッカー大国へのコンプレックスをなくしたい」。こうダメ出しした。

 一方で優しい配慮もあった。前夜は選手の外出を許可。選手たちは、代表合宿中では異例のシャンパンやワインをほんの少しだけたしなみ、祝杯を挙げたという。この日も午後に1度チームを解散。夜の再集合まで半日間の自由時間を与えリフレッシュさせた。「ただのツーリストとしてロシアに行きたくはない。日本でサッカーが、圧倒的なNO・1スポーツになってほしい」という壮大な目標がある。まず、5日のサウジアラビアとの最終戦(ジッダ)に集中する。【八反誠】