20年東京五輪の男子日本代表監督に、サンフレッチェ広島で3度リーグ制覇した森保一氏(49)の就任が確実となった。7日までに欧州滞在中の同氏に日本協会の担当者が接触し就任を要請した。交渉は詰めの段階で、7月に広島監督の座を離れてフリーの同氏は就任に大きな障害はないとみられる。

 代表監督選定は強化を取り仕切る技術委員会が候補者を推挙し、それを理事会で承認する流れで進む。技術委員会は、人選を西野朗技術委員長に一任することを確認済み。早ければ12日の理事会で「森保監督」誕生の運びとなる。

 自国開催でメダル獲得が期待される東京五輪の監督には、昨年のリオ五輪を率いたA代表の手倉森誠コーチが最有力とされ、幹部も含めて協会内にはその共通認識があった。ただ、最優先されるA代表が来年のW杯ロシア大会出場を決め、ハリルホジッチ監督もスタッフと選手をつなぐ手倉森コーチを特別な存在として認識。兼務では、互いの代表活動に支障が出ることがネックとなっていた。

 そんな中、9月21日に西野技術委員長が都内で森保氏と接触し、J1で抜群の実績から候補に急浮上。同22日に取材に応じた同氏は「五輪もクラブも正式オファーをいただけたら、その時に考えたい」とし「来年は現場復帰したい」と現場への意欲を示していた。

 東京五輪世代の代表は、年末から活動が本格化する見込みで、来年1月の中国で開催されるU-21(21歳以下)アジア選手権が初陣となる見込みだ。

 ◆森保一(もりやす・はじめ)1968年(昭43)8月23日、長崎市生まれ。長崎日大高から87年に広島の前身マツダ入り。98年に京都へ1年間期限付き移籍し、再び広島で01年までプレー。03年に仙台で引退。日本代表でも「ドーハの悲劇」を経験するなど国際Aマッチ35試合1得点。04年から指導者となりU-19、20日本代表や広島、新潟のコーチをへて12年に広島監督に就任。12、13年と15年、計3度のリーグ制覇に導いた。