本田、岡崎に続き、香川まで外れた。日本サッカー協会は10月31日、11月の欧州遠征でブラジル、ベルギーと対戦する日本代表メンバー25人を発表。バヒド・ハリルホジッチ監督(65)は10月の国内での2試合に続き本田圭佑(31=パチューカ)と岡崎慎司(31=レスター)の両FWを招集せず、今回は背番号10を背負うMF香川真司(28=ドルトムント)も外すビッグサプライズ。実績抜群の3人をぶった切った。

 ついに香川の名も消えた。10月も選外だった本田、岡崎に加え、10番を背負った香川までメンバー外。長く日本代表をけん引し、象徴的存在の3人がそろっていなくなった。

 国内組や若手主体で臨んだ試合を除けば、3人の最後、08年に代表入りした岡崎の国際Aマッチデビューから数え10年目で初の「ビッグ3」不在。これは一時代の終わりなのか。大ナタを振るったハリルホジッチ監督は「これを競争と呼ぶんでしょう。名前は関係ない。誰が本大会に行くのか、今、私でさえも分からない」と言い切った。

 質疑応答では真っ先に、3人を招集外とした理由を聞かれた。「前回の合宿で、あまり評価していない。彼らは本来のパフォーマンスを見つけるべきだ。他の選手よりいいパフォーマンスを出してくれれば、ここにいる」。メキシコで直近の公式戦2戦3発の本田、欧州チャンピオンズリーグでも戦う香川、最高峰プレミアでしのぎを削る岡崎もバッサリ切った。

 会見後、なおも追いすがる報道陣に「皆さんの大好きな選手だから選ばなかった」とブラックジョークでチクリ。信念は「スター選手は(誰かではなく)チーム」。会見でも連呼した、今最もお気に入りのブラジル代表の20歳のFWガブリエルジェズス(マンチェスターC)を引き合いに出し「(マンCで)スター選手のアグエロを追いやった。パフォーマンスとはそういうこと。(3選手と)個人的な問題があるわけではない」と念押しした。

 ブラジル、ベルギーを「私の中では世界の2強」と位置付け、胸を借りる。香川不在の攻撃的MFの序列最上位は右足小指の骨折を抱えてプレーするMF倉田。格好の腕試しの場で3人合わせて国際Aマッチ291戦115発の実績に見切り。代役と目される初招集のMF長沢にMF森岡、FW興梠を加えた同18戦0発の無限? の可能性で、番狂わせを狙う。【八反誠】

 ◆ビッグ3が招集外 国内組や若手主体で臨んだ試合を除けば、岡田武史監督時代の08年W杯南アフリカ大会アジア最終予選バーレーン戦以来9年ぶり。ただ、このときは香川が3試合、本田が1試合に出場したのみで、岡崎がA代表デビュー前だった。その後は若手主体で臨んだ10年アジア杯予選イエメン戦、国内組のみの招集だったザッケローニ監督時代の12年親善試合アイスランド戦、13年東アジア杯、ハリルホジッチ監督になってからは国内組のみの15年東アジア杯だけだった。