日本代表次期監督の最有力候補、東京オリンピック(五輪)世代のU-21日本代表の森保一監督(49)が視察した試合は、両チームともにに決定力に欠いて引き分けに終わった。

 試合では、同五輪世代の選手は松本のFW前田大然(20)が途中出場したのみとなった。それでも森保監督は「オーバーエイジはいつも見ているので」と笑わせ、前田大について「スピードを生かした突破などで相手の脅威となるプレーができていた」と評価した。

 15日にフランスの優勝で幕を閉じたワールドカップ(W杯)ロシア大会について聞かれると「私が総括する立場にない」と前置きしつつ「個のレベル(の高さ)と、チームが組織的に戦うというところ。ただメンツがいいだけじゃなく、臨機応変に状況に応じた戦い方ができていたからこその優勝」と話した。経験あるベテランと若手のバランスもよかったと指摘し、決勝でもゴールを挙げた19歳のFWエムバペについては「なかなかああいう選手はでてこないと思います」と舌を巻き、「そういう選手が必ず出てきていることがチーム編成の中で刺激となって強くなっていったのかなと思います」と話した。

 15日には東京でJ2東京V-山口戦を視察し、16日午前の新幹線で岡山へと移動。気温30度を超える暑さの中、屋外の関係者席でJリーグの原博実副チェアマン(59)と並んで試合を観戦し、新戦力の発掘に目を光らせた。15日には代表監督人事について「(報道などで)名前を挙げていただけるのは、これまで自分がやってきたこと、我々がチームでやってきたことが評価され、ありがたく光栄なこと」などと初めて言及していた。1日が経過し、具体的なオファーの有無などについては「変化はありませんよ」と笑顔でかわしていた。