「対応力と臨機応変」。就任会見で、森保一新監督はこの言葉を掲げた。「速攻もできれば遅攻もでき、ハイプレッシャーをかけることもできれば守備を固めることもしたい。勝つために、流れをつかむためにどうしたらいいか。選手が自分で判断して選択できるサッカーをしたい」と話した。

 12年にサンフレッチェ広島で初めて監督を務め、5年半で優勝3度。そこでは3バックと4バックの使い分けや、カウンター攻撃にロングボール。速攻、遅攻と多彩だった。まさに柔軟性があった。

 現役時代から多種多様な指導者と出会った。オランダ人のオフト監督に「アイコンタクト」などの基本を教わり、イングランド人のバクスター監督からは強固な組織術を学んだ。今回の西野監督には「選手を見守る我慢強さ」を感じた。

 「お互いを尊重してチームのために戦うメンタリティーはロシアでもすごく感じた。日本人らしく日本人の良さを出して戦い、世界と向き合っていきたい」。

 対応力と臨機応変。そこに「和」の心を加えていく。