20年東京オリンピック(五輪)世代とA代表を兼任する森保一監督(49)が12日、本格始動した。ジャカルタ・アジア大会に臨むU-21日本代表チームが千葉県内に集合し、現地に向けて出発した。森保監督は兼任監督として、今大会で活躍した選手にはA代表への昇格チャンスを与えると公言した。チームは14日にネパールとの初戦を迎える。

 森保監督率いる21歳以下の若き戦士17人が約1時間の調整を行った。14日には早くも初戦を迎える。過密日程に加え、年代が上のカテゴリーの選手が相手になってくる。指揮官は「タフさを強いられるが、成長につながる。勝つことにこだわり、貪欲にやってほしい」と期待を口にした。

 “兼任効果”は選手にも絶大だ。DF板倉は「A代表の監督が直々に見てくれるのはメリットしかない」とアピールに燃える。チームで唯一、A代表の経験があるDF初瀬も「絶好のチャンス。自分たちの世代がいかないと。先輩の引退を待っていてもよくない」と力を込めた。アンダー世代がA代表の舞台を見据えられる環境が出来上がっている。

 そんな若武者たちの意欲を指揮官も大いに買う。「チャンスは自らつかむもの。A代表でもやれるパフォーマンスを見せてくれれば、当然ステップアップのチャンスを与えたい」と話し、9月の代表活動に招集する可能性も否定しなかった。東京五輪世代の活動は今回に限らず、森保ジャパンへの招集をかけたサバイバルにもなる。

 初日を終えた森保監督は「もっと自分がリーダーだという気持ちを出して、刺激し合ってほしい」と選手にハッパをかけた。自国五輪でのメダル、その先の22年ワールドカップ(W杯)カタール大会へ。新たな若手の台頭への期待を胸に、成田空港から旅立った。【岡崎悠利】