U-20女子ワールドカップ(W杯)で優勝した女子U-20(20歳以下)日本代表のヤングなでしこの選手21人が26日、帰国し、都内で優勝報告会見を開いた。

24日(日本時間25日)のスペインとの決勝戦で、後半20分に3点目を決めたMF長野風花(19=仁川現代製鉄レッドエンジェルズ)は、1次リーグでスペインに0-1で敗れ、迎えた13日のパラグアイ戦前に、池田太監督(47)が涙を流してチームを鼓舞したことが大きかったと明かした。

長野は会見後に応じた取材の中で、池田監督の大会中の言葉、立ち居振る舞いで最も印象的だったことを聞かれると「パラグアイ戦前のミーティングで、太さんが泣きながら『俺は、このチームが大好きだし、まだまだこのチームで戦いたい』と言った。その言葉を聞いた時に、やるしかないと思った」と振り返った。

会見では、複数の選手が、17年のアジア選手権の後に池田監督から手紙をもらったことを明かしたが、長野はそれがメッセージカードで、直筆で1人1人に贈る言葉、課題などが書かれていたと明かした。書かれた内容は「秘密で…すみません」と語らなかったが「財布にしまっています」と毎日、持ち歩いていると説明。「本当に1人1人のことを考えてくれているんだなと思うし、本当にそう(毎日、持ち歩くほど大事なものだと)思わせてくれるような監督。太さんのために勝ちたいとみんな口に出して言っていたし、感謝しかないです。太さんと一緒に戦った1年半という短い時間の中で人柄、熱い思いがダイレクトに伝わってくる、すごい監督」と池田監督に感謝し続けた。

長野は14年のU-17W杯に続きU-20W杯でも優勝メンバーに名を連ねた。11年になでしこジャパンが女子W杯を制しており、国際サッカー連盟(FIFA)主催の女子の大会3つを制した最初の国に日本はなった。11年のなでしこジャパンの優勝当時は中学1年生で、テレビで見ていたという。「世界一は簡単なことじゃないし、偉大な先輩…すごいこと」と思っていたというが、サッカーを始めた時から「なでしこジャパンに入り、オリンピックかW杯で優勝」を夢に掲げてきた。

自らの手で、その2つを成し遂げた。長野は「U-17の時とは自分の立ち位置、役割も違う。私が誰よりも、やらなきゃいけないという状況でやった。あとは、なでしこで世界一になるだけ。そこに向かって日々、努力したい。夢に近づくには私自身の努力次第」と固く誓った。【村上幸将】