日本協会は2日、国際Aマッチ2試合、チリ戦(7日・札幌ド)とコスタリカ戦(11日・パナS)に臨む日本代表に天野純(27=横浜F・マリノス)と守田英正(23=川崎フロンターレ)の両MFを追加招集したと発表した。

けがで山口、大島が不参加となったための措置。U-21(21歳以下)日本代表を率い、準優勝したアジア大会の開催地インドネシアから帰国した森保一監督(50)は強行軍で札幌入り。今日3日開始のA代表初の活動を前に、サプライズ招集で独自色を打ち出した。

アジア大会日韓戦の激闘から24時間もたたないうちに、森保監督はA代表の指揮官として合宿地の札幌に入った。インドネシアから帰国し、北海道へ。その道中で決断を下した。けがで招集できなくなった山口、大島の実績組に代わり、天野と守田を抜てきした。ともに初招集で、代表招集歴は大学時代のユニバーシアード日本代表程度。A代表初の活動前夜から、独自色を打ち出した。

札幌到着後に取材に応じた新指揮官は「けが人が出たのはチームとしても痛いけど、日本代表として新たな選手を見られるということは底上げのいい機会。2人ともJリーグで安定して結果を出していますしプレーを楽しみにしている」。世代交代を掲げ、8月30日には、ワールドカップ(W杯)ロシア大会のレギュラー0人、東京オリンピック(五輪)世代の堂安、伊藤、冨安の3人を含む4人が初招集というフレッシュな23人を招集。うち6人だけだったW杯組から2人がけがで招集できなくなるアクシデント。山口は最多の国際Aマッチ45試合出場。大島と合わせ同50試合と計算の立つ2人。前途多難にも思えるが、前向きにとらえ、未知なる魅力にかける。

A代表と東京五輪世代、兼任ならではの難局にいきなり直面した。大島は1日のG大阪戦で負傷交代。森保監督は韓国という難敵と対峙(たいじ)するタイミングだった。そこから24時間で手を打った。スタッフも含め、まずは一丸で船出にこぎつけた。

競争はあまりあおらず、選手にも一丸を求める。「日本代表に選ばれるまでが競争だと思う。いったん集まったら、チームとして戦っていこうと僕はとらえている」。2試合での全員起用も「まだ絶対というわけではないけど、多くの選手を見ていきたい」と否定しなかった。23人の国際Aマッチ出場試合数は計117。代表引退し不在の長谷部は同114試合だった。全員合わせてほぼ長谷部1人と同じフレッシュな顔ぶれでスタートを切る。