地元大阪で決めた。Aマッチ3試合目で日本代表初ゴール。MF南野拓実(23=ザルツブルク)が森保ジャパンの初陣で、その名を刻んだ。

後半21分だった。MF中島翔哉からのスルーパスを、抜け出したDF遠藤航が左から折り返す。ニアサイドでボールを左足に収めたとき、コースは空いていなかった。だが、打つ-。それしか考えていなかった。無理な体勢からでも左足を振り抜いた。ディフェンダーの股を抜き、ゴールネットを揺らした。

試合後は「まずはチームとして初戦で勝ったこと、自分もゴールという結果を残せて良かった。日本代表としてプレーすることは自分の目標でもありますし、ゴールを取れたこともうれしい。(来年1月の)アジアカップまでのサバイバルにしっかり勝ち残っていきたい。10月もしっかり選ばれるようにチームに戻ってやっていきたい」とさわやかに話した。

日本代表への招集は、15年11月のW杯ロシア大会アジア2次予選以来、約3年ぶり。16年リオデジャネイロ五輪で主力を担い、オーストリアのザルツブルクでは2年連続で2ケタ得点も挙げていたが、その間、声は掛からなかった。

ピッチに立つことはできなかったW杯。日本代表の戦いは見ていた。「一番印象に残っているのはベルギー戦」。その上で「あと1歩で8強にいけなかったのは見ていて悔しいというか…。ここに立ちたいなという思いが強くなった」。

背番号8を背負って先発した。22年W杯カタール大会への第1歩。ただ、4年後の遠くを見るのではなく、目の前の試合をしっかりと見据える。「今回、何人か活躍することが次のW杯へつながっていくと思う。自分のプレーをしっかり出してアピールしたい。攻撃のところで結果を出せれば」。

言葉通り、積極的にゴールを狙い続けた。前半39分に遠藤からのロングフィードを、FW小林悠が胸で落としたボール。走り込み、ペナルティーエリア付近から迷いなく右足を振り抜いた。たたきつけるように放った鋭い弾道はゴール左枠を捕らえていた。GKモレイラの好セーブがなければ、スーパーゴールの1つとして語り継がれていたかもしれなかった。

後半12分にも、中島のクロスをゴール前で合わせた。ヒットせずに右へと外れたが、シャドー気味の2トップの一角として小林の衛星のように動き回った。その遮二無二ゴールを狙う姿勢が、結果につながった。南野拓実。確かな印象を残した。