サッカー日本代表MF原口元気(27=ハノーバー)が、本職の左サイドに復帰する可能性が高まった。10日は、新潟市内で国際親善試合パナマ戦(12日、デンカS)に向け、代表合宿3日目の練習を行った。原口は6月のワールドカップ(W杯)ロシア大会では右サイドでプレーし、日本の決勝トーナメント初得点をマーク。9月の森保ジャパン初陣は招集を見送られたが、森保体制では主戦場に戻って再出発することになりそうだ。ポジション争いが激化するサイドで、アピールを誓った。

原口が日本代表で本職に戻りそうだ。関係者によれば、この日の非公開練習では左サイドに入って実戦練習をこなしたとみられる。

森保ジャパンへの招集は初めてだが、練習も慣れたもの。選手の判断力を鍛える森保監督の練習メニューは、原口が浦和時代に指導を受けたペトロビッチ監督(現札幌)のものと共通点が多い。ペトロビッチ監督がかつて広島を率いた際、あとを継いだのが森保監督だった。「ミシャ(ペトロビッチ監督の愛称)の練習に似ているものが多くて。懐かしい気持ちになった」と手応えを口にした。

6月のW杯ロシア大会では決勝トーナメント1回戦ベルギー戦で先制点を奪うなど、チーム事情でこなした右サイドで柔軟さを見せた。だが左サイドでは16年のW杯アジア最終予選で史上初の4戦連続ゴールを決めるなど、プレーの切れはさらに上がる。「それぞれの力を存分に出してほしい」と繰り返す森保監督の期待も大きい。

森保ジャパンの初陣だったコスタリカ戦はハイライトで見た。コスタリカ戦ではポジションを争うことになるMF中島、堂安ら年下の選手も躍動した。まだ27歳だが、「上手だし、攻撃的で自分の良さを出そうというところもいい」とライバルの実力を認めつつも、「そういう中で勝っていかないといけない」と譲るつもりはない。

今回の代表MF陣の中では青山に続く年長組。国際Aマッチ出場36試合も4番目に多い。「経験を伝えていきたいし、引っ張っていきたい」と、22年W杯カタール大会も見据えた。今は本職の左サイドにこだわるつもりもない。「臨機応変に、求められることをうまく表現できるのが自分のいいところ」。持ち前の運動量に、新指揮官が重視する柔軟性もアピールし、主力の座をつかみとる。【岡崎悠利】