日本代表の森保一監督(50)は、9月11日のコスタリカ戦と同じ3-0のスコアでパナマに勝ち、チーム立ち上げから2連勝を飾った。「まずはチームとしてやろうとすることを、選手が前向きにトライしてくれて、この2試合、良かった」と振り返った。

10、11年にヘッドコーチを務めた新潟に、日本代表監督となって戻ってきた。かつての本拠デンカSの声援を浴びながら就任2戦目を指揮。新潟県庁に花角知事を表敬訪問した2日には「なじみのある地に、違った形で帰ってこられた。また、熱の高い新潟のサポーターの前で試合ができて幸せ」と感慨を深めていた。当時は「ビッグスワンに3万人を超える、お客さんが来てくれていた」記憶がある。現在はJ2で、集客が1万人台に落ち込んでいるスタジアム。そこに活気を取り戻し「代表の試合で喜んでもらい、笑顔になって帰ってもらいたい」と健闘を誓ったパナマ戦だった。

 

勝利とともに「化学反応」を追い求めた。先月の初陣コスタリカ戦(3-0)で得点した南野、伊東ら「合格者」を今回も招集し、そこにW杯ロシア大会のレギュラーDF長友、吉田、酒井にMF原口、柴崎とFW大迫の6人をミックス。「長くキャリアを積んできた選手を加えた時、どう化学反応が起きるのか見たい」。合宿では「ピッチ内外でコミュニケーションを取る姿が見られた」といい「チームとして共通理解が進んでいる。1つの現象に対して、意見し、すり合わせていた。融合は確実にできている」と、新潟での合宿に手応えもつかんでいた。試合後は「いろいろな意味での融合ということで、これまでA代表の方で出場機会がない選手に新たな経験をしてもらい、経験のある選手と融合するということで編成しました」と振り返った。

10、11日に行った非公開練習では、攻撃の練習に多くの時間を割いたという。ブロックをつくり、しっかり守りから入ってくる相手の分析をした上で「攻撃の方が連係、連動、意思統一が難しいもの。限られた時間の中で攻撃の練習を多くした」。スイッチとなる縦パスを入れ、そこから一気に連係のスピードを上げる形を繰り返した。結果、W杯出場国のパナマ相手に3得点。コスタリカ戦に続いて攻撃面で成果を出した。

16日にはウルグアイ戦(埼玉ス)が控える。森保監督は「選手の頑張りはすばらしい。でも、次の勝ちを保証するものでない。応援する人が、もっと喜べるように最善の準備をしたい。クオリティーを上げて、次に良い試合をしたい」と手綱を引き締めた。