日本代表MF堂安律(20=フローニンゲン)がアジア杯最年少ゴールを決めた。20歳6カ月24日で、小野伸二の21歳17日(00年)を抜いた。後半26分に細かいパス回しからペナルティーエリア左でボールを受けると、華麗に反転して左足を振り抜き、ゴール右に突き刺した。この得点が決勝点となり、3-2の勝利に貢献した。

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迷わず左足を振り抜いた。20歳とは思えない落ち着きで、堂安がアジア杯最年少ゴールを決めた。1点リードの後半26分、ペナルティーエリア左で味方のパスに反応し、ゴールに背を向けて左足でトラップ。相手DFが寄せてこないことを確認すると素早く反転してシュートを突き刺した。

森保ジャパン6試合目での2得点目。アジア杯という大舞台でのメモリアルゴールとなった。「前半からシュートが少ないと感じていたし、後半は思い切って打とうと思っていた。追加点が取れないときついと思っていたので良かった」と振り返った。

得点にこだわる姿勢は以前から変わらない。「(チームへの貢献を)考えすぎてもチームのためにならない。しっかりそういう(点にこだわる)ところは貪欲にいきたい」。全てはゴールのため-。特に17年夏にオランダへ渡ってからは肉体改造や食生活の見直しなどに取り組んできた。

だが、今大会気づきがあった。毎日朝食を済ませてからDF長友にトレーニングを依頼。「いろんなものを吸収したいと思っている。(長友と)練習して、自分の弱さに気付かされた」。長友の隣に並ぶとこれまで自信のあった身体や精神面の強さが足りないと実感した。「頭の中全て考え方を変えなくちゃいけない」。長所の伸びしろを知り「これからの僕の練習が変わる」と心を躍らせた。

のし上がるためなら、努力は惜しまない。長友も「僕の若い頃に似てる。向上心がずばぬけている。見たことない」と驚く貪欲さ。インテル時代にプレーしたコウチーニョやコバチッチの名を上げ「能力的には全然劣ってない」と太鼓判を押した。

苦しみながらもしっかりと勝ち点3を積み上げたが、前半は5バック気味で守る相手にボールロストを繰り返すなど課題もみえた。「2試合目でしっかり改善していきたい」。まだまだ伸び盛りの20歳が、日本を2大会ぶりの王者へと導く。

 

▼日本代表のアジア杯最年少記録 20年東京五輪世代で20歳のDF冨安とMF堂安がトルクメニスタン戦でそろって先発出場。20歳65日の冨安が歴代最年少出場となり、20歳207日の堂安が年少2位。これまでの記録は00年レバノン大会1次リーグ初戦サウジアラビア戦でのMF小野で21歳17日。この試合はMF稲本が21歳26日、FW高原が21歳132日で、日本サッカーの「黄金世代」といわれた3人が出場していた。また、堂安はゴールも決めて小野の21歳17日の最年少得点記録も更新した。