【アブダビ12日】エース不在を総力戦で乗り越える。日本代表は13日、アジア杯UAE大会の1次リーグ2戦目となるオマーン戦に臨む。初戦2得点のFW大迫勇也(28=ブレーメン)が右臀部(でんぶ)痛再発で2日連続で練習を回避し、欠場が決定的。代役はFW武藤嘉紀(26=ニューカッスル)が濃厚で、同じく追加招集されたMF乾貴士(30=ベティス)とDF塩谷司(30=アルアイン)の先発の可能性も浮上。森保一監督(50)は総力戦で挑む覚悟をあらためて示した。

練習開始を告げる円陣の輪に、2日連続でFW大迫の姿がなかった。右臀部痛を再発症させ、11日は宿舎で1人別調整。この日の前日練習も、腰痛を訴えたGK東口とともに回避した。冒頭のみ公開した練習後の公式会見で、森保監督は「FWは、間違いなく新たに先発に入ってもらう選手がいると思う」と明言した。先を見据えて無理をさせないとはいえ、勝てば予選突破の一戦に、16強入りしたワールドカップ・ロシア大会から主軸を張る1トップを欠いて臨むことになる。

森保ジャパンの苦境を救うべく、追加招集組がそろって先発する可能性も浮上する。大迫の代役筆頭候補に挙がる武藤に加え、UAE入り後に途中合流したMF乾とDF塩谷もスタメン候補に入ってくる。指揮官は「誰が出るかはゲーム直前まで考えて決めたい」と最善の布陣を熟考中とした上で、初招集した3選手について聞かれると「監督、コーチとして一緒に戦った経験がある選手。いつ試合に出ても彼らの良さを出して貢献してくれる」と全幅の信頼を口にした。

トルクメニスタンとの初戦は先制点を許すなど3-2の辛勝発進。2戦目では想定外のメンバー変更も余儀なくされただけに「厳しい戦いになるのを覚悟しないといけない」と、対戦成績が通算8勝3分けながらオマーンへの警戒レベルを上げた。それでも「残った選手とスタッフで勝ち切れるよう、どんなアクシデントも乗り越えてやっていきたい」とチームの底力を信じている。2大会ぶりの優勝までの全7試合を戦い抜くため、「総力戦」を掲げて臨む今大会。2戦目でいきなり、真価を試される一戦を迎える。【浜本卓也】