【シャルジャ(UAE)19日】アジア杯出場中の日本代表MF堂安律(20=フローニンゲン)が“吉兆ヘア”でベスト8に導く。

21日の決勝トーナメント(T)1回戦サウジアラビア戦(シャルジャ)に向け、休養明けのこの日、堂安は髪色を明るくチェンジ。冒頭15分だけ公開された練習で気合を入れ直した。イメチェンした新エース候補の堂安が3試合ぶりゴールでサウジをたたく。

UAE入り後、初めて太陽に雲がかかったドバイ近郊シャルジャの空の下、堂安のニューヘアが輝いた。休養明けのこの日、ピッチに出てきた20歳の髪色は黒から明るい茶色へチェンジ。公開された練習中はDF長友や槙野らと、いつも以上に元気にパス回ししてサウジアラビア戦に備えた。負ければ終わり、一発勝負のここからがアジア杯の本番。堂安にとって決勝Tへ覚悟の変化だった。

「心機一転。1次リーグで自分自身まだまだできると感じて、少しでも(モヤモヤを)取っ払うために髪を切った。やっぱり大会の中で、少し気分を変えて。2試合出させてもらって、もっと点を取れたし、まだまだ自分の力を出し切れていない。もっと貪欲にならないといけないし、このままだとだめだなと思って」

堂安にとって吉兆だ。16年10月のU-19アジア選手権決勝、サウジアラビアをPK戦で下し、大会初優勝に導いた。オランダ移籍を決めるきっかけとなったU-20W杯切符をつかみ、大会MVPも受賞。思い入れの深い大会も髪色は明るかった。「あの時も金色、銀色に近かったし、縁起のいい髪形」。ワールドカップ(W杯)メンバー、主力御用達の美容師に来てもらい約3時間、3回の脱色で染め上げたこだわりの色。新ヘアにアジア制覇の思いを込めた。

中東の強豪相手に「個人の能力が高いし、1対1でガンガン仕掛けてくるイメージがある。警戒しなくちゃいけない」。ここまでの1次リーグ、自身に納得はしていない。初戦のトルクメニスタン戦ではゴールを決めたが、徐々に環境にも慣れ始め、ようやく手ごたえを感じている。

「1戦目2戦目より今日のトレーニングの方が良かった。スプリントのキレもそう。今までそういうのあまり感じられなかったけど、良くなっているなというのを感じている。少しずつ成長してるかな」

こう言い、力強くうなずいた。2大会ぶりの優勝へ、3試合ぶりの得点だけではなくチームを勝たせるプレーを求めていく。

「3試合振り返って、僕が勝たせたって胸を張って言える試合は1試合もない。そういうところを目指している。本来は優勝させてやるぐらいの気持ちで若い選手が全員でやりたい。欲を出して、欲の塊で試合に臨みたい」

明るい髪色で明るい結果を-。パワーアップした堂安が日本に勝利を運ぶ。【小杉舞】