日本はMF堂安律(20)のPKによるゴールでベトナムに1-0で競り勝ち、4強進出を決めた。

日本はFIFAランク100位の格下ベトナムに大いに苦しめられた。5バックで守る相手守備網を突破できず前半は0-0。後半12分にVARの“後押し”もあり、MF堂安が得たPKを自ら決めて先制したが、追加点は奪えず、攻めあぐねた。優勝した11年以来2大会ぶりの4強入りに、森保一監督(50)は「どんな形でも勝って次のステージに進むことが大切な戦いの中、選手たちがベトナム戦を無失点に抑えてくれて次のステージに駒を進められて良かった」と無失点勝利をたたえた。

番狂わせを起こさせないため、指揮官は最善の手は打った。サウジアラビア戦から中2日ながらターンオーバーせず、FW北川以外はサウジ戦と変えずベスト布陣で臨んだ。右臀部(でんぶ)痛のFW大迫も、リードを奪った後の後半27分から4試合ぶりに起用した。追加点を奪いにいきつつ、ボールを落ち着かせようとした。交代枠も余さず使った。ただ、圧倒することはできなかった。

予想以上の厳しい戦いになった。試合前から警戒していた速攻を許す場面もあった。「カウンターから危ないシーンはありましたけど、みんなで止めて失点ゼロで抑えたことは良かった」。ベトナムには昨年8月のアジア大会で、自ら指揮を執ったU-21日本代表が0-1で負けた。前日には「いつも考えている通り、目の前の一戦に向けて最大限発揮できるように準備することだけを」と無関心を強調していた。相手の先発にはその時のメンバーが7人。過去の敗戦をA代表の圧勝で払拭(ふっしょく)する気持ちはあったはずだが、シナリオ通りにはならなかった。今大会は「成長」と「成果」の両方を目指す森保ジャパン。全5試合連続で1点差勝利で、頂点まで残り2試合。険しい道を行く。【浜本卓也】