サッカー女子日本代表「なでしこジャパン」が21日、福島・Jヴィレッジで27日から米国で行われる「シービリーブス杯」へむけた国内事前合宿2日目を行い、午後練習に元日本代表DF秋田豊氏(48)がゲストコーチとして訪れ、選手にヘディングのコツを熱血指導した。

代表のジャージーに身を包んで姿をみせると、秋田氏はすぐさまピッチで選手らの動きに目を光らせた。現役時代にはJ1通算23得点中、頭で17得点を挙げるなど、空中戦にはめっぽう強かった。その極意を伝える時間を設けられると、身ぶり手ぶりで、なでしこたちにレクチャー。「足でボールを蹴る時に、しっかり足の甲に当てれば強く飛ぶのと同じ。頭でもスポットに当てれば強く飛ぶ」と熱弁した。

今回の“即席秋田塾”が実現したのは、高倉麻子監督(50)のラブコールがきっかけ。秋田氏の指導前後にはサイドからのクロスに頭を合わせるシュート練習を行い、教わったコツをすぐに実践。秋田氏もゴール前に飛び込む選手として参加するなど、日本人男子並みのフィジカルを誇る海外選手との競り合いをにらんだ空中戦強化に着手した。

指導後にはMF宇津木瑠美やDF鮫島彩らから守備時のポジショニングについての質問も受けるなど大忙し。秋田氏は「伸びしろはいっぱいあるなと思いました。自分の最高点でとらえるトレーニングをするといい。自分は180センチだけど、190センチの相手にも競り勝てていた。ボールは10センチ以上あるでしょう? 体格差があっても勝てるんです」と力説した。

選手らも大きな刺激を受けた。ベテランのMF阪口夢穂は「練習がいつもと違う感じで、勉強になりました」と振り返り、センターバックを務めるDF市瀬菜々は「今までヘディングでボールが飛ぶ時と飛ばない時があった。当てどころを教えてもらったので、100%に近いぐらい大きく飛ばせるようにしたい」と話した。

秋田氏は明日の午前練習でも指導を行う予定で「みっちりやります」と連日の熱血指導を誓っていた。