女子サッカー日本代表「なでしこジャパン」(FIFAランキング8位)はMF籾木結花、FW小林里歌子、MF長谷川唯がゴールを決め、ブラジル(同10位)に3-1で快勝した。

高倉麻子監督は「我慢しながら勝ちを引き寄せるようなゲーム展開になればいいなと思った。交代選手含めて90分でしっかり勝ちきれたのはよかった。難しい部分もありましたけど、よく耐えてくれたなと思います」と選手をたたえた。

今大会初勝利をあげ、最終戦となる次戦に勝てば大会制覇も見えてきた。指揮官は「勝利を大前提に考える」としつつも、6月にせまるW杯への選手の見極めの場であることもあらためて強調し「あくまでW杯に向かってのいろんなものを観察する時間でもあると思う。90分で勝ちきることも含めて、先発と交代、またチームとして積み上げることを整理して臨みたい」と意気込んだ。

試合は前半44分にMF中島依美のパスから籾木が左足ダイレクトでGKの頭上を越す鮮やかなループシュートを決めて先制。リードして折り返した後半は高い個人技を武器に攻めるブラジルの猛攻にあい、後半12分に1度は同点に追いつかれた。すると、高倉監督は失点直後の14分に一気に4人の選手を交代。FW小林里歌子とMF遠藤純の新戦力と、DF鮫島、MF長谷川という主力2人を送り込み、さらに22分にはMF宇津木瑠美に代えて好調のMF杉田妃和も投入し、流れを取り戻した。

後半36分には左サイドからドリブルで持ち込んだ遠藤が右サイドの籾木へパス。これを籾木が右足ダイレクトでゴール前へクロスボールを送ると、中で待っていた小林が頭で合わせ、勝ち越しゴールを奪った。小林はうれしい代表初ゴールとなった。

攻撃の手を緩めない日本は、後半40分にもゴール前で籾木からのパスを受けた長谷川が左足でネットを揺らして3点目。交代選手がうまく機能し、日本が今大会初勝利をつかんだ。

27日(日本時間28日)の米国戦に続く2試合連続ゴールに加え、1アシストも記録した籾木は得点シーンについて「前半はなかなか自分たちでボールをまわしていてもゴールまでいくシーンが少なかったので、あのワンチャンスをものにしないといけないと思っていた。中島選手がすごくいいタメをつくってくれてフリーで打つことができた」とこの日キャプテンマークを巻いた中島への感謝を口にした。

一方で、ブラジルの猛攻を浴びる時間が長かったことは反省し「結果は3-1でしたけど、90分通して自分たちの時間は少なかった。1失点したあとのブラジルの猛攻は紙一重だったなと思います。まだまだ課題の残る試合でした」と振り返った。

この試合で日本は2月27日(日本時間28日)の米国戦から先発メンバー7人を変更。昨夏のU-20W杯フランス大会優勝メンバーのDF南萌華と宮川麻都がフル代表初出場を果たした。大会最終戦となる次戦は5日(日本時間6日)に6月のW杯フランス大会1次リーグ第3戦でも対戦するイングランドと激突する。