J1北海道コンサドーレ札幌のFW鈴木武蔵(25)が日本代表入りした。サッカー協会は14日、国際親善試合キリンチャレンジ杯コロンビア戦(22日、日産ス)ボリビア戦(26日、ノエスタ)に臨む日本代表メンバーを発表し、鈴木がA代表に初めて招集された。

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鈴木の発言は大胆なプレーとは正反対で、とても現実的だ。加入当初に聞いたシーズンの目標は「15点」。昨季長崎での11点を考えれば、可能性がきわめて高い現実的な数字を掲げた。

来年の東京五輪について話を聞いている時だった。出場した前回のリオデジャネイロ大会をなつかしがる姿を見て、もう1度、日の丸を背負って戦いたいか聞いてみた。オーバーエージ枠での五輪出場が可能だ。すると即答された。「いやいや、見る側で。何のプレッシャーを感じずに」。続けて「入らない方がいい」とまで言った。

消極的にも思える言葉は、目の前の仕事への真剣さがあふれている証拠だ。どちらもまだ札幌でレギュラーを確保していない時のコメント。新天地での活躍を第一に考え、自信が持ててから、その先の夢や目標を見つめる選手だと感じた。

リーグ戦で早くも結果を出し、日本代表入りをたぐり寄せた。“何のプレッシャーを感じずに”は、いられない状況になった。ハイトーン声でのモノマネが得意だが、普段の話し声は低めで小さめ。そんな誠実な鈴木なら、日本代表としても、みんなの期待に応えてくれるはずだ。【保坂果那】