やはり「10番」は不動だった。日本協会が20日、国際親善試合コロンビア戦(22日、日産ス)とボリビア戦(26日、ノエスタ)に臨む日本代表メンバーの背番号を発表し注目のエースナンバーはMF香川真司(30=ベシクタシュ)に落ち着いた。目標と公言した22年ワールドカップ(W杯)カタール大会へ、日本初の3大会連続10番への第1歩となる。MF中島翔哉(24=アルドハイル)は8番だった。チームは横浜市内で非公開練習を行った。

香川も「楽しみ」と話していた10番が、滞りなく返ってきた。中島が望めば関係各所との協議も必要になったが一切なし。香川も身を任せ、自然な形で託された。21歳だった11年アジア杯から背負ってきた象徴番号は、離れていたW杯ロシア大会後は中島が“預かる”形になっていただけ。「新旧10番争い」と騒がれても、双方には競争ではなく共存の意識しかなかった。

それでも10番は注目された。フレッシュで超攻撃的な中島も魅力だが、実績、人気を考えれば香川で妥当だ。昨夏W杯では未勝利ジンクスを破り、先発し、得点し、勝利を収めた初めての10番になった。22日コロンビア戦の入場券も14日のメンバー発表翌日に完売した。協会関係者は「発表直後に数千枚が売れた。異例」。国内最大の約7万2000人を収容する日産スタジアムは通常、代表合宿の開始と報道の増加に比例して試合直前の完売へ向かうが「発表翌日は近年では最速」。実力でも注目度でも変更の必要性はなかった。

香川にとっては「番号でプレーするわけじゃない」も「10番は誇り」も本心。今まで通り自然体で担い続ければ、前人未到の記録がついてくる。W杯の2大会連続10番は06、10年のMF中村俊輔と14、18年の自身だけ。3大会連続となれば日本初となる。「カタールに向けて挑みたい。持っているものを代表に還元しながら良いスタートを切りたい」と意気込んだ中、期せずとも3年後の快挙への挑戦も始まった。【木下淳】