MF香川真司が、目標と明言した22年ワールドカップ(W杯)カタール大会へ第1歩を踏み出した。

コロンビアとの再戦はベンチスタートも、準備運動から6万3000人超の声援を浴び、後半20分にFW鈴木と交代で森保ジャパン初ピッチへ入った。MF南野を最前線に上げてトップ下に陣取ると、左の中島、右の堂安との連係でゴールへ迫った。失点直後の難しい状況だったが「三銃士」と初融合。攻撃を活性化した。

「前半、見ていて非常にアグレッシブで刺激を受けた」。W杯以来9カ月ぶりの代表戦で新チームの可能性に心を躍らせ、終了間際には左足シュート、あわやPK獲得のドリブルで沸かせた。森保監督からも「途中出場組が流れを引き戻してくれた。やはり力がある」と評価されたが、修正へ余念なし。試合直後、南野や堂安をつかまえ「中への意識が強すぎて密集していた」と課題を話し合った。

前夜は親交あるイチローが45歳で引退。深夜の会見を見て「身震いした」という。「ずっと勇気づけられてきた。恐縮しすぎて言葉が見つからない」と驚いたが、くしくも翌日に自身は30歳初戦を迎え「経験値はチームで1番だと思っているし、より良くしていきたい」と日本サッカー界を引っ張る覚悟を再確認した。

W杯で初得点、初勝利を挙げた相手には借りを返されたが「今日、始まったばかり」と地元神戸での26日ボリビア戦へ切り替えた。「ポテンシャル高い若手と生かし合い、知り合うことが日本の(進化の)鍵になる」。香川が日本の真ん中に帰ってきた。【木下淳】