MF香川が、代表97試合目で初のゲーム主将を務めた一戦で不発に終わった。平成元年に生まれた神戸での平成最後の代表戦。昨夏のワールドカップ以来9カ月ぶりにトップ下で先発したが、Aマッチ出場1桁台の8人に囲まれて攻撃の糸口をつかめない。「苦労すると分かっていた」と覚悟していた通り、シュート0本。前半2度のサイドチェンジで沸かせたものの、引いた相手に対し、下がって組み立てに追われる場面が目立った。

後半も、途中出場のMF堂安からの縦パスにタッチが乱れた。23分、自身の交代を意味する「10」がサイドで光る。乾、宇佐美とともにロシア組の実力を示せず、主将マークを外し、南野に託してピッチを出た。その8分後、南野のパスから中島が決勝点。先発組が相手を疲れさせた側面があるが、結果を出したのは新鋭だった。主将として「辛抱強く」と鼓舞しての勝利は喜びつつ「個人的には物足りない」と悔しがった。森保ジャパン初招集の2戦は手探りだったが、久々の代表で役割の違いと突き上げを感じた。クラブ事情によるが、6月の南米選手権への出場意欲を問われると「もちろん。トルコに帰って突き詰めて、夏に向かいたい」。不完全燃焼も、日の丸への思いは再燃の9日間となった。【木下淳】