女子日本代表なでしこジャパン(FIFAランク7位)は6月のW杯開催国のフランス(同4位)と敵地で対戦し、1-3で敗れた。開始早々に先制される苦しい展開の中、24分にFW小林里歌子(21=日テレ)が同点弾を決めるも、その後、2点を失って力尽きた。地元でのW杯初優勝を狙う相手のパワーに終始圧倒され、2大会ぶりの女王奪還へ不安の残る試合となった。9日に敵地でドイツ(同2位)と対戦する。

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W杯開催地での前哨戦で厳しい現実を突きつけられた。なでしこジャパンは序盤から相手の激しいプレスに苦しみ、前線の選手にいい形でボールがおさまらない。前回の米国遠征でも浮き彫りとなったサイド攻撃とセットプレーでの弱さをまたも露呈した。身長187センチのDFルナールらが飛び込んでくる世界基準の攻撃を真っ正面から受けて3失点。ミスも連発し、日本の良さであるパスサッカーは鳴りをひそめた。

攻撃の中心を担うMF長谷川は「『W杯、大丈夫?』と思われても仕方がない試合。もっと責任を持って戦わないといけない」と言った。収容約1万8000人のスタジアムはほぼ満員となり、あちこちではためくフランス国旗。日本がボールを持てば容赦のないブーイングが飛ぶなど、本番さながらの雰囲気を体験できたことが唯一の救いか。高倉監督は「自分たちにパワーを持ってくる力が足りなかった」と搾り出した。