日本サッカー協会は10日、6月7日開幕の女子ワールドカップ(W杯)フランス大会のメンバーを発表し、マイナビ仙台レディースから常盤木学園(宮城)出身のDF市瀬菜々(21)が選出された。「(代表入りに)ホッとした。やってやるぞと決心が芽生えた」と、守備の要として世界一に挑む。

なでしこジャパンがW杯ドイツ大会を制した11年、少女はあの舞台に立つと心に誓った。それから8年、憧れの舞台が現実に。「日の丸を背負ってプレーできることに誇りと責任を感じる」。守備の強さを出しながら攻撃ではビルドアップで起点になり、攻守で躍動する。セールスポイントの予測能力は、徳島での中学時代に男子の部活と練習し、スピードで通用せず磨かれたものだという。

高倉麻子監督(51)とは年代別代表でもともに戦い、14年のU-17W杯で優勝、16年のU-20W杯で3位の好成績を残した。まさに「高倉チルドレン」だ。昨季はけがに泣かされ代表が遠のいた時期もあったが、なでしこの試合をテレビで見て、自らを奮い立たせた。同監督からは「今季はけがをしないように」と言われたという。常盤木学園OGでは、DF鮫島彩(31=INAC神戸)DF熊谷紗希(28=リヨン)FW小林里歌子(21=日テレ)も選出された。

W杯初戦は同10日アルゼンチン戦。勝ち上がるために「最初が大事。そこに向け準備したい」と気を引き締める。世界一奪還へ市瀬が壁になる。【山田愛斗】

◆市瀬菜々(いちせ・なな)1997年(平9)8月4日生まれ、徳島市出身。13年常盤木学園(宮城)に進学し、2年時U-17女子W杯、3年時U-19選手権(AFC)で優勝。16年マイナビ仙台に加入し、同年のU-20W杯で銅メダル獲得。17年からなでしこジャパン入り。160センチ、体重56キロ。