日本サッカー協会は24日、招待参加する南米選手権(6月14日開幕・ブラジル)に臨む日本代表23人を発表し、MF久保建英(17=東京)が2日連続でA代表入りした。前日23日に発表された6月のキリンチャレンジ杯2試合(トリニダード・トバゴ、エルサルバドル)に続く再選出となった。久保を含め、FW安部裕葵(20=鹿島)ら東京五輪世代の16人が実質初のA代表に名を連ねた。

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「いい怖さ」。2日連続の会見で、久保はそう言葉にした。開催地は幼いころに憧れたFWロナウジーニョを生んだブラジル。「強豪国がしのぎを削るところに、ぽっと入っていく。レベルの高い選手がなんとしても勝ちを狙ってくる大会なので怖さもあります。それも含めて楽しみたい」。高揚感と緊張感が、入り交じるように17歳を包んだ。

南米勢にとっては威信をかけた大会。ブラジルはネイマールら豪華メンバーをそろえた。また久保が下部組織時代を過ごしたバルセロナのメッシも、アルゼンチン代表に選出された。同じタイトルを目指すことについて「バルセロナといっても、トップチームと下部組織の小学生。自分のことなんか知らないと思う。気にかけることはなにもない」と冷静。そして「もう過去のことです。自分は日本代表の一員として選ばれたことに誇りを持つ」と続けた。過去にとらわれない久保らしい言葉だった。

若手の多い日本が苦戦を強いられるのは間違いない。一方で、世界トップレベルと自身の距離を見極める機会になる。17歳は「もし仮に通用しなかったとしても悲しむことではない。びびっていてはもったいないので、肩書は気にせずに、自分のプレーを出す」。見定めるべきことははっきりとしている。長谷川監督も「(南米選手権で)実際に試合ができるのは人生に1回…最初で最後かもしれない。いろんな経験を積んでほしい」と背中を押した。

森保監督は今大会を東京五輪に向けた重要な強化の機会とも位置づけている。A代表、五輪と大車輪の活躍も期待される久保は「(今大会で)活躍したからといってその先が約束されているわけではない。そこまで気にする余裕もない」と努めて冷静だ。誰も分からない未来を考えるより、地に足をつけるスタイルは変わらない。常に目の前の試合で勝利を目指す-、それだけだ。【岡崎悠利】