サッカー女子の日本代表「なでしこジャパン」(FIFAランク7位)はW杯初戦でアルゼンチン(同37位)と対戦し、0-0で引き分けた。

高倉監督の主な一問一答は以下の通り。

-この試合での勝ち点1をどう感じているか。また、ボールを持ちながらリズムが出なかった要因はどう考えているか

高倉監督 もちろん今日の試合に関して勝ち点3をとりたいと強い気持ちを持ってゲームに入りましたけど、アルゼンチンが引き気味のポジションでゴール前を固めてくる中で、前半は特にゴールに向かうパワーと言いますか、人がいることによってそこに入っていくのを怖がってる状況が続いていたので。それでは点をとることはできませんし。積極的にもっとゴールを目指せというところはハーフタイムに指示をして。

後半、ゴールを狙うパワーは増したかなと思いますけど、その中でも足を振りきることはできずに。そのへんの変化をつける、もしくはパワーを持ってゴール前に入っていくところは足りなかったかなと。最後まで相手のリズムでゲームをしてしまったなと思います。

-スコアレスで試合が進む中で最初の交代カードとして、ここ1カ月間、実戦経験のなかった岩渕選手を起用した意図と狙いは

高倉監督 岩渕が実戦から遠ざかっていても、そうでなくても、彼女のもともと持っているポテンシャルは信じて選んだわけですし、投入の意図というのは得点しかないです。

-グループの中で最もFIFAランクの低い相手と引き分けてしまった。苦しい状況になったと思うが、残り2試合をどう戦っていくか

高倉監督 W杯はきれいにランクが上のチームが勝っていく大会ではないですし、初戦の難しさということを考えても、勝ち点1をとったことをプラスにとらえて、チームとしては前に進んでいくだけです。

-前半は守備重視に感じたが、それはもともとの狙いか。それとも、もっといくべきところをいけなかったのか。後半はリスクをかけて選手も動きだしてよくなったと思うが、それが結果につながらなかった。そこはどう分析しているか

高倉監督 私たちのチームで守備攻撃に関して約束事はありますし、どの相手に対しても決して守備的にいこうという発想でチームを考えているわけではないです。ただ、初戦ですし、守備のところはしっかりやっていこうという話は(している)。どの試合もそうですけど。守備的に布陣を組んだわけではないですし。発想をしたわけでもないですし、その中でやはり選手が慎重になったというところもあったと思いますし、後半はもっとスイッチを入れていかないといけないところでちょっとテンポが上がったかなと思いますけど、結果的に私たちの力がアルゼンチンを壊す力がなかったのかなと思います。

-チームの雰囲気について

高倉監督 試合前も昨日もそうですけど、選手は緊張はほとんどなかったんじゃないかなと思います。試合に対する高いモチベーションはありましたけど、様子を見ている限りは、過度な緊張は感じませんでしたし、非常にポジティブな空気でゲームには入ったと思います。やはりW杯の大きな舞台の雰囲気や観客の多さにのまれたのか、前半は特に攻撃に関しては非常に引け腰になったなと思います。

-攻撃陣に、けが人が多く出ている。今後2戦にかけて復帰のめどは立っていると思うが、その点に関して感じていることは

高倉監督 攻撃で変化をつけられる選手のけがはちょっと予想外というか、計算外ではありました。そのことは持っていたとしても今日出た選手たちに対しても大きな期待はしていたので。できればゲームの中で何かひとつ変化をつけるプレーを彼女たちがしてくれればよかったと思いますけど。けが人に対してはめどは立っているので、そのあたりも含めてキャスティングを考えていきたいと思います。

-次戦までに修正を一番したいところはメンタルか戦術的なところか

高倉監督 両方ですね。メンタル的なところはやはり考え方としては、FIFAランクが下だったので、この試合はとっときたかったというのはみんなが普通に思っているところですけど、3つのうちのひとつが終わった中で、次の試合に向けて何を成長させて、チームを進めていくかという、全員がポジティブな気持ちになって次の試合に臨むことが大事だと思いますし。今日の試合は相手のDFをいかに崩すかというところに関して、最終的なところで崩しきれなかったという課題ではありますけど、次の試合はまた違った展開になるのではないかと予想しているので。チーム全体の攻守のバランスと、点をとりにいくということに関しては修正して、勇気を持って進んでいきたいと思います。