“天国組”入りにも、日本代表の森保一監督(50)は油断なし-。22年ワールドカップ(W杯)カタール大会アジア2次予選の組み合わせ抽選会が17日、マレーシア・クアラルンプールで行われた。

7大会連続のW杯出場を目指す日本代表はキルギス、タジキスタン、ミャンマー、モンゴルと同じF組に。FIFAランキング95位のキルギスが最高で、中東勢をはじめ難敵は入らなかった。初戦は9月10日、アウェー・ミャンマー戦の予定。強国不在にも油断せず、最終予選へ着実に駒を進める。   

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表情ひとつ変えなかった。同組にはキルギス、タジキスタン、ミャンマー、モンゴル。強国の名はなかったが、森保監督は「対戦相手ではなく、次のカタールのW杯に向けた戦いが始まるんだなという気持ち」と喜怒哀楽を見せることなく、淡々と語った。

歴史をひもといても“天国”組に入ったといえる。W杯に初出場した98年フランス大会以降、過去6大会の予選での黒星は計9度。苦戦を強いられてきたイラクら中東勢、北朝鮮といった難敵は別組へ。同組で日本に次ぐFIFAランク上位国のキルギスには、昨年11月20日のキリンチャレンジ杯で4-0と完勝。明らかな“天国組”といえる。

慎重派の指揮官は、そんな好データも意に介さなかった。「その時の結果(キルギス戦)が次のW杯予選に反映されるほど軽く思ってはいけない。非常に難しい戦いになる覚悟はしています」と一蹴。タジキスタンには11年のアジア3次予選で足を踏み入れたが、初対戦のモンゴルをはじめ、ミャンマーはビルマ時代の65年以来54年ぶりという“未開の敵地”に乗り込むだけに「対戦する時の環境がすべてイメージできるわけではないんですけど、時差があったり気候の違いがあったり。アウェーに行く前後、日本との環境の違いがある中で、力を発揮するのは難しい中での戦いになる。持っている力を100%発揮できるように、しっかりとした準備をしていきたい」と引き締めた。

西野タイ、本田カンボジアとの“日本人指揮官対決”も実現しなかったが「最終予選に向けて勝ち上がってきてもらって、そこで対戦できるように。そうなればいいなと思います」とW杯切符を懸けた決戦での対戦を期待した。「勝ち抜くことはもちろんですけど、チーム、個人のレベルアップもできるようにしっかり戦いたい」。最後まで一喜一憂せず、カタールへと続く道だけを真っすぐに見据えて締めた。【浜本卓也】