日本代表の森保一監督(51)が21日、茨城・龍ケ崎市内で関東大学リーグの専大-流通経大(3-1)法大-筑波大(0-0)を視察した。

兼任で指揮する東京五輪世代のU-22代表をメインに、候補選手の状態や成長を確認。6月のトゥーロン国際(フランス)に招集した筑波大MF三笘ら常連のほかにも「まだ招集はしていないけど、会議で名前が挙がっている選手もいる。常に選手を追い、新しい情報を入れられたらと思っている。なので、いつ以来ですかね。久々に(大学サッカー視察に)来ました。シーズン中にもかかわらず、いつも選手を代表に出していただいている感謝も伝えに」と話した。

天皇杯でJ2東京ヴェルディとJ1ガンバ大阪を連破し、16強入りした法大もチェック。3日前、J2ヴァンフォーレ甲府に延長戦の末に敗れ「メンバーは天皇杯と変わっていた(9人)けど、力がある選手がいるなと思った。まずは試合を見て、選手の情報を少しでも集めることが我々の仕事。招集できるできない、するしないは別として、今まで呼んだことがなくても特長を把握している選手はいる。成長を見させてもらいながら活動に生かしていきたいし、将来の日本サッカーのレベルアップにつながるような選手もいっぱいいる。見ていて楽しい」とほほ笑んだ。

前日20日に開幕した自国開催のラグビーW杯にも言及した。日本がロシアに30-10で逆転勝ちした試合を「見ました、見ました。日本開催で、その初戦。プレッシャーすごいんだろうなって思いながら見てましたけど、やっぱり(試合の)入りは、かなり緊張感が伝わってきた」と先制を許した場面を、同じ日の丸を背負う選手を束ねる自らと重ねながら、手に汗握って見たことを明かした。

その後は4トライ。ボーナスポイントも獲得する最高の開幕星に「最初の緊張は、それだけ選手が、みんなが、試合の重要性を考えながら臨んでいたということ」と推察し「歴史的な勝利。競技は違うけど、日本が1つのスポーツの話題で盛り上がるのは非常にいいこと。すごく感動させてもらいました。我々もラグビーに続きたい」と刺激を受けた。

3トライしたWTB松島幸太朗ら、桜戦士の名前を知っているのか尋ねられると「はい。にわかですけど」と目を細めつつ「すごかったですね、みんなで1つのボールをつないでいく。とても参考になったし、サッカーに生かしていけたら」と指導の引き出しを増やした様子だった。

サッカーは今月、22年W杯カタール大会アジア2次予選が開幕。10日に敵地でミャンマーを2-0で振り切り、ラグビーと同じく世界8強を狙う次のW杯へ好発進した。それでも今はラグビーを立て「W杯の期間中は応援したいし『初戦の勝利、おめでとうございます』ということを(報道を通じて)お伝えいただければ」と心からエールを送っていた。