【ビシケク(キルギス)10日=浜本卓也】日本代表の前に、またしてもピッチが“難敵”として立ちはだかる。

日本が14日のW杯アジア2次予選キルギス戦で、初めて試合をするドレン・オムルザコフ・スタジアムは荒れていた。試合に向け、日本代表より早く現地に先乗り。早速、潜入取材を試みたが、現地の関係者に「まだ準備をしている最中。公開日ではない」とピシャリと制され撃沈。取材の当てが外れ、途方に暮れながら空を見上げると観覧車が目に留まった。

中央アジア、圧倒的な存在感の天山山脈が有名。美しい山々を見てしばし現実逃避すべく、150キルギスソム(約234円)を支払い乗車。同僚の横山カメラマンと男2人のむさ苦しい車内に、吹き込んでくる寒風が心地よい。眼下には声をあげて遊ぶ子どもたち。そして緑に茶色が交じったピッチ…ピッチ!? 頂上に近づくと突如スタジアムが視界に入ってきた。

会場ピッチは雑草交じりという事前情報はあったが、雑草どころか、芝生がはげて土がのぞく部分が何カ所も確認できた。同予選の初戦、9月のミャンマー戦でも、同じアウェーではスコールでぐちゃぐちゃのピッチ適応が鍵になったが、選手は、森保監督が「天候、ピッチ状況を見極めて臨機応変に対応して非常に柔軟にプレーしてくれた」と目を見張る対応力で乗り切った。予選4連勝へ、今回も試合までの入念な“足固め”は欠かせない。