オランダ遠征中の日本代表DF安西幸輝(25=ポルティモネンセ)が8日、長く代表のサイドバック(SB)をけん引してきたDF長友佑都(34)酒井宏樹(30)らとの世代交代へアピールを誓った。安西は今遠征では不参加となった長友不在の左SBでの起用が濃厚。他にもDF室屋成(26)菅原由勢(20)らSBが主戦場の若手も多く招集されており、ベテランを脅かす活躍で最終ラインの競争も激化させる。

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長く変化のなかったSBの定位置奪取を狙う。今回はポジションを争うはずだった長友がコンディション不良で不参加に。安西は約10年間、代表の第一線で戦ってきた長友、酒井への尊敬を語りつつ「いつまでも憧れていては追い越せない。今回はチャンス。2人をどんどん脅かしていかないと日本も強くならない」と力を込めた。

19年夏に渡ったポルトガルでの海外生活で自信も深めた。「海外ではSBに求められることが日本と違い、守備の1対1はできて当たり前、強くて当たり前という感覚だった」と持ち味の鋭いドリブルでの攻撃参加に加え、守備面の改善にも着手。「今年に入って(クラブの)監督からも良くなってきていると言ってもらえた」と手応えを語った。今回は身体能力の高いカメルーン、コートジボワールのアフリカ勢が相手だが、ポルトガルでアフリカ人選手とのマッチアップも多く経験し、不安はない。「バチバチいきたいし、何度も攻め上がって相手を疲弊させ、特徴を出していければ。2試合出るつもりでいます」と闘志を燃やした。

鹿島時代は左SB、現在は右SBを主戦場とするなど両SBを起用にこなせる。昨年3月の代表初招集時について「左SBとして招集を受けた。そこからずっと一番のライバルは佑都君だと思っていた」と語り、長友不在の今回も同位置で起用される可能性が高い。

競争激しい前線とは裏腹に、顔ぶれが大きく変わらない最終ラインの現状にも危機感を感じており「CB、SBを脅かさないといけない。控え選手が活躍したら監督も悩むと思う」。海外でもまれ、進化した安西が日本の最終ラインに新たな風を吹き込んでいく。【松尾幸之介】