【ユトレヒト(オランダ)13日=エリーヌ・スウェーブルス通信員】日本(FIFAランキング28位)は国際親善試合でコートジボワール(同60位)と対戦し1-0で勝った。新型コロナウイルス感染拡大もあり、日本代表史上初めて、海外組のみで約1年ぶりに活動再開にこぎ着けた。0-0で引き分けた9日カメルーン戦に続き、オランダ遠征は2戦連続無得点かと思われた終了間際に、途中出場のDF植田直通(25)の国際Aマッチ初得点が生まれ、20年初ゴール、初勝利を手に入れた。

待望の約1年ぶりの日本代表活動で、ついに20年初ゴールが生まれた。終了間際、途中出場のDF植田直通が豪快なダイビングヘッド。セットプレーからDFがたくましさをみせ、モヤモヤを振り払った。

2試合連続無得点という何とも消化不良の内容がちらついていた。相手はアフリカの強豪、コートジボワール。開始から4日前、同じ会場で0-0で引き分けたカメルーン戦より躍動感はあった。前半は先発起用されたMF久保のラストパスで好機も作った。不発の久保は、期待された19歳131日での得点はならず、金田喜稔が1977年(昭52)に記録した19歳119日に次ぐ、日本代表史上2番目の年少ゴールとなる初得点は、またもお預け。そんなモヤモヤも、植田の国際Aマッチ初得点が振り払った。

8月に発表された白い新しいアウェーユニホームのお披露目試合。ホームユニホーム同様「日本晴れ」のコンセプトで作られているというが、日本晴れどころか“曇り空”、先行きが見通せないような結果となりそうな展開を植田が一変させた。

森保監督はカメルーン戦から7人先発を変更した。この試合に向け「ボールを保持してコントロールした攻撃をできるよう、選手に働きかけたい」と話していたが、決定力不足を、森保監督が投入したDFが解消した。

守備の安定も確認できた。体調不良で左サイドバック(SB)のDF長友佑都が不参加。追加招集はなく、不動の右SB、DF酒井宏樹は12日の練習で左足首を痛め、ベンチ入りしたが、ウオーミングアップには参加しなかった。それでも、左SBで起用されたMF登録の中山と右SBのDF室屋が、中央を固める吉田、冨安のセリエAでプレーする両DFと守備で踏ん張った。

コロナ禍の渡航制限などもあり、初のオール海外組での編成。時差もほとんどなく、移動の負担の少ない欧州での試合だった。何よりコロナ禍の中、各方面の協力があり、何とか国際親善試合の開催にこぎ着けた。それに、劇的な1-0勝利でこたえた。

DF植田 いいボールが出て来た。ガク君(柴崎)に感謝したい。

日本代表森保監督(今年初となった代表活動での国際Aマッチ2試合は、1勝1分けの無失点で終了) みんながチームのために団結して準備してくれたことが決勝点につながった。相手のコンディションも非常にいい中で無失点で抑えることができて、勝利をもぎ取ることができたのは大きな自信になる。