オーストリア遠征中のサッカー日本代表(FIFAランク27位)が13日、パナマ(同77位)との国際親善試合に臨む。10月のオランダ遠征に続いて選出されたMF久保建英(19=ビリャレアル)は、出場すれば19歳162日での10試合出場となり、風間八宏の19歳327日を抜く最速の2ケタ到達となる。スペインリーグ2年目で進化し続ける中、節目の一戦で代表初ゴールを狙う。

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試合前日、オンラインで対応した久保が決意を新たにした。「選ばれたからには爪痕を残す」。変わらぬ落ち着いた口調に闘志が垣間見えた。パナマは18年W杯ロシア大会にも出場し、FIFAランク77位ながら地力のある相手だ。「臨機応変に対応するも、自分たちで主導権を持つもいい。しっかりギアを入れていきたい」と気合十分だった。

オランダ遠征では2試合ともに出場。今回は右サイドの主力であるMF堂安が不在となっており、19歳にかかる期待はより大きなものになる。「アシストやシュートなど、プレーの終わりを1番気をつけている」と、決定的な仕事を遂行することが現在のテーマだ。

久保にとって、クラブと代表は別物だという。「日々の積み重ねを一発勝負で出すのが代表」と、異なるクラブの選手と数日間の練習だけで試合に向かう代表の難しさも分かっている。ビリャレアルでは欧州リーグで得点を記録するなど、徐々に出場機会を増やしている。上向いている調子そのままに出番をうかがう。

出場すれば史上最速での10試合出場に到達する。久保は「節目だからと誰かに言われているわけでもない。重圧はない」と軽く受け流した。「最年少」「最速」と、ついて回る記録には執着しない。「何試合目かは関係なく、チームに貢献するための手段として結果を狙いたい」。19歳の視線は、目先の勝利だけに向いている。【岡崎悠利】