サッカー日本代表の森保一監督(52)が24日、オンラインで取材対応した。2試合を行ったオーストリア遠征を総括し、成果と課題を挙げた。来年3月にはW杯アジア2次予選が再開する。新型コロナウイルスの影響で欧州視察など今後の活動に見通しが立たない中、オンラインも駆使しながらチームを統率する方策を示した。

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日本代表の今年の活動を終えた森保監督が、成果と課題を挙げた。パナマ戦とメキシコ戦で複数の陣形を採用し、五輪世代のMF三好ら若手も起用。「多くの選手がピッチに立ち、試合でのプレーを通して戦術の浸透ができたことがよかった」と手応えを口にした。

格上のメキシコには0-2で敗戦。濃霧となった後半に失点した。18年W杯ロシア大会では欧州勢と南米勢以外でベスト16に残ったのは日本とメキシコのみだった。「対等以上に戦い、乗り越えないといけない壁。主導権を握る先制ができなかった。まずはそこでより優位に戦えるように」と指揮官。W杯で8強進出を狙う国同士だが、現状では差を受け入れた。

本当に負けられない戦いは3月に始まる。森保監督は、チーム全体の底上げの重要性を口にする。「経験値から言えば、レギュラーで戦っている選手の安定感は計算できる。安全にやるだけではチーム力は上がらないし、より勝てるチームにもならない」。W杯ロシア大会でコーチとしてベルギー戦に臨み、主力組の力だけでは勝ち抜けないことも痛感した。だからこそ今は、試合が不安定になる多少のリスクを背負い、多くの選手に経験を積ませることを選んでいる。

W杯アジア2次予選が始まる前に欧州視察を希望しているが、コロナ禍でめどは立っていない。活動で得たデータをオンラインで選手と共有するなど、現状でできる手を尽くす。「アジアで勝つには違う要素も必要。そこを整理して臨みたい」。メキシコ戦で経験した痛い思いも糧にし、アジアの戦いに備える。【岡崎悠利】