東京五輪への数少ない切符をかけたサバイバル合宿がスタートする。日本サッカー協会(JFA)は17日、千葉県内で合宿を行う東京五輪世代のU-23日本代表候補メンバー23人を発表した。国内組に限られ、天皇杯に出場する川崎FとG大阪からの招集は見送られた。代表枠は海外勢中心が予想され、国内組の枠は狭き門。コロナ禍の影響で1月のU-23アジア選手権(タイ)以来となる活動で、国内組の代表候補はこの1年の成長をアピールする。

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1年近くの空白を経て招集されたメンバーは、23人のうち8人が初招集と新鮮な顔ぶれになった。森保監督は「常にスカウティングをしている。序列が変わることもある」と、選手の力関係に変化があったことを示唆した。「この先どう変わるかは選手次第。成長を見せてほしい」とメンバーを固めることはせず、今回は招集しなかった選手も含めて五輪イヤーでの飛躍に期待した。

10、11月のA代表の海外遠征で、五輪世代からもMF久保建ら7人の海外組が招集された。指揮官は「A代表でもやれるところを見せてくれた」と高く評価。裏を返せば、国内組に与えられる切符はきわめて少ない。3人のオーバーエージ起用もある。A代表に呼ばれた7人以外にも海外組は複数人おり、五輪の選考レースも主戦場は海外に移っている。

狭き門となる国内組代表候補の選抜基準は、2度のA代表の活動で久保ら五輪世代が見せたパフォーマンスになりそうだ。「(A代表で)同じ世代の選手がどういうプレーをしていたかは今回のメンバーも見ていると思う。その基準を持って、来てもらいたい」と森保監督。今回は呼ばれていない海外組に割って入る存在感を示すことも科されている。

五輪イヤーを前に、国内組だけで行われる合宿はこれが最後になる可能性が高い。指揮官は「五輪代表やその先のA代表を目指すなら、自己表現力を発揮してほしい。まずは1人1人が自信を深めたところを発揮してほしい」と、厳しい競争を勝ち抜く力強い存在の登場を期待した。【岡崎悠利】