日本代表が11年アジア杯決勝でオーストラリアを下し、史上最多4度目の優勝を果たしてから、今日1月29日でちょうど10周年を迎える。李忠成が日刊スポーツの取材に対し「あのボレーを打つとき、1秒くらい時が止まったような感覚になった。すごく神秘的な一瞬でした」と表現した、延長後半の決勝ボレーを昨日のことように覚えているサポーターは多いだろう。

それは大会が開催されたカタールでも同じ。当時の日本代表は「アジアのバルセロナ」と呼ばれ、中東での知名度も高かった。決勝が行われたハリファ国際スタジアムでもう1度、日本代表の試合を見たいと話すカタールのファンは多い。

同スタジアムは1976年に建設され、長年カタールサッカーのシンボルとして愛されてきた。スタジアム周辺も室内競技場やプール、選手育成施設、病院などを備えた一大スポーツ・コンプレックスとして発展してきた。

スタジアム自体は05年までに一度改装された後、11年アジア杯などを経て、14~17年に再び改装されて再オープン。22年W杯カタール大会で使用するため、継続性と世界中のファンを抱きしめるという意味合いを込めた2本のアーチに加え、近未来的な外観が特徴の最新鋭のスタジアムに生まれ変わった。

そのW杯カタール大会だが、3月のアジア2次予選が再延期されることが濃厚となっている。再延期された場合、6月に中東で集中開催される可能性が高い。コロナ禍で行われた昨年のアジア・チャンピオンズリーグを成功させ、今年2月にはクラブW杯を開催するカタールも当然候補地となってくる。

予選をカタールの地で戦う可能性は出てきたものの、日本代表が目指すのはあくまでW杯本大会での上位進出。厳しい予選を勝ち抜き“思い出の地”ハリファ国際スタジアムで世界中のファンにサムライブルーの勇姿を見せたい。