コロナ禍にあって日本代表(A代表)と東京五輪世代のU-24(24歳以下)日本代表が22日、徹底したバブル(隔離措置)のもと同時に合宿を開始した。

サウサンプトンMF南野拓実も合流したA代表は横浜市内で、U-24代表は千葉市内で練習した。国内組と海外組の接触を最小限に抑えるなど厳しい感染症対策を講じながら、A代表は25日の韓国戦(日産ス)、U-24代表は26日の同アルゼンチン戦(味スタ)に向けて準備を進める。

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練習で汗を流したMF南野の手元には、ガムテープにマジックで「南野」と名前が書かれた“マイバッグ”があった。中身は水。口をつける飲料水も接触することが極力ないよう、選手それぞれのバッグを用意して飲むタイミング以外はしまっている。昨年12月の五輪代表候補合宿でも同様だった。コロナ禍以前はなかった光景だ。

2チームとも、行動には厳しい制限がかかっている。宿舎ではエレベーターも専用のものを1基使用するなど、動線は一般利用者とは完全に別。食事も向かい合わずに約3メートルの間隔をあけたり、時差をもうけたりして、選手同士の距離をとっている。日本代表で最年長のGK西川は「エレベーターに乗る時間も決まっている。コミュニケーションは食事会場で少し話せるくらい」と話した。

また、国内組と海外組も別行動が多い。練習場のロッカーやマッサージルーム、宿舎のフロアも分かれている。U-24代表では、オランダのフローニンゲンに所属するDF板倉がこの日唯一の海外組で、ランニング時には1人だけ数メートル離れたところをぽつんと走る場面もあった。

代表チームは短い活動期間で意思疎通を図らなければならず、コロナ対策との両立は難しい。それでもA代表のDF佐々木は「みんなといられる時間、エリアは限られている。ただ試合ができるのはこういうことをするからこそ」と、イレギュラーばかりの活動にも前を向いた。スポーツ界の先陣を切って感染対策のモデルケースとなることも、両代表チームが背負う使命。コロナに勝ち、試合に勝つための準備が始まった。【岡崎悠利】