東京五輪世代のU-24日本代表が同アルゼンチン代表に完勝した。国際親善試合の第2戦で、3-0と快勝。追加招集のFW林大地(23)が先制点を決め、後半はMF久保建英(19)のCKからDF板倉滉(24)のヘディングという形で、一気に2点を奪った。26日の第1戦で0-1と敗れた相手に、五輪の1次リーグと同じ中2日という厳しい日程の中、力を示した。

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日本が東京五輪のメダル候補を圧倒した。第1戦からの修正力を見せつけて。前半45分、最前線で相手DFの裏を取ったFW林が、左手を挙げてボールを呼び込む。センターバックのDF瀬古から、ピタリとロングフィード。右足でトラップしてDFの前に入り込むと、フェイントを入れて右足で決めた。裏を狙う動きは、惜敗した26日の第1戦ではあまり見られなかった場面。「生き残るには、誰よりも結果を残すこと」と話していた追加招集の林が、“1発回答”のゴールで口火を切った。

後半は23、28分と立て続けにMF久保の左CKからキャプテンマークを巻いたDF板倉のヘディング弾で追加点を奪った。第1戦から続けて先発したのは、この2人だけ。板倉は第1戦後、セカンドボールを拾えなかったことを反省し「球際を強くいくなど、基本で負けていたら五輪では勝てない。戦うところを意識したい」と話していた。ボランチで先発した第2戦は、守備でも相手の前に体を入れて奪いきる、たくましい姿があった。

南米予選首位で五輪切符をつかんだアルゼンチン相手に、見事な試合運び。第1戦では、サイドを使った縦に速い攻撃や裏への動きだしが少なかったが、先発起用されたMF相馬が、スピードを生かしたドリブルで何度も縦への突破を図り、後半6分にはポスト直撃のシュートを放った。第1戦後、「もっと幅をとって、早いテンポでパスを回せる」と話していたトップ下のMF久保は、サイドに流れてボールを受ける場面が多く、しっかり修正して結果につなげた。

試合後、板倉は「前の試合で負けていて、五輪で金メダルを取ろうと言っている中、このままじゃ終われないと話していた。ゴールが結果につながってよかった」。久保も「リベンジすると言って、口だけじゃなくて結果で借りを返せたのは良かった」と話し、「プランがはまったゲーム」と総括した。

金メダル獲得を目標に掲げている。本番は1次リーグから準決勝までの5試合を中2日で戦う。MF田中碧は「次、負ければ、五輪なら予選敗退になる」と話していたが、本番を想定した連戦で、日本は大きな成功体験を手に入れた。

指揮した横内監督も「選手1人1人が全力でぶつかって、最後まで諦めずに走り続けてくれた。選手をたたえたい」と話した。