東京五輪世代のU-24日本代表が同アルゼンチン代表に完勝した。国際親善試合の第2戦で、3-0と快勝。追加招集のFW林大地(23)が先制点を決め、後半はMF久保建英(19)のCKからDF板倉滉(24)のヘディングという形で、一気に2点を奪った。26日の第1戦で0-1と敗れた相手に、五輪の1次リーグと同じ中2日という厳しい日程の中、力を示した。

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東京五輪での金メダル獲得も決して夢ではない。04年アテネ五輪、08年北京五輪を連覇し東京でも金候補のアルゼンチンに完勝した。前半45分に追加招集のFW林が先制点。ハーフタイムのロッカールームで「もう1点欲しい」と強く主張したのは久保だった。3日前の第1戦は惜敗。「ホームで同じ相手に負けるなんてありえない」。並々ならぬ闘志をむき出しにした。

攻め続けた。後半23、28分と立て続けに久保のCKから板倉が頭で豪快弾。3日前の第1戦から、スタメン9人を入れ替えた中、2戦連続で先発した大黒柱2人のホットラインで突き放した。試合後のインタビューで、久保は表情を崩さないまま「板倉選手もこれから2点取ることはないと思いますので、しっかりと喜びをかみしめてほしいです」。プレーに加えて、きついジョークでも会場をわかせた。

前回、久保や板倉ら海外組が合流した活動は19年11月の国際親善試合コロンビア戦(Eスタ)だった。0-2の完敗。終始リズムをつかめないもどかしい90分を終え、指揮した森保監督から「金メダルは私だけの目標なのか」と厳しい言葉が投げかけられた。あれから1年4カ月。球際での争いで、相手の圧力を受け、ずるずると下がる選手はいなくなった。試合後、板倉やMF田中碧、DF瀬古らの口から「金メダル」という言葉がはっきりと出てきた。

第1戦は力負け。五輪本番で2度目のチャンスはないが、完勝でやり返す力をつけたのは大きな前進。2アシストでけん引役の風格を漂わせた久保は「リベンジすると言って、口だけじゃなくて結果で示せて良かった」。次の活動は6月。若武者たちが確かな自信を胸に、金メダルを目標に掲げ、突き進む。【岡崎悠利】

▽GK谷 五輪世代の試合で初めての先発。思い切ってプレーしようと思った。積極的に自分の良さを出し、最後尾からしっかり声をかけた。

▽U-24アルゼンチン代表バティスタ監督「日本が高いインテンシティ(強度)でプレーすることはわかっていたし、アグレッシブであるところも日本の長所。1試合目はその長所を消すことができていたのだが」

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